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2005/04/22

日本に定着してきた環境格付け

現在、環境関連の格付け・ランキングなどで毎年公表されているものとして日本経済新聞社の「環境経営度調査」、環境経営格付機構の「環境経営格付」、トーマツ審査評価機構の「環境格付け」がある。

「環境経営度調査」は、質問紙郵送方式による調査で、製造業、建設業、エネルギー、非製造業の業種ごとに30から60の質問項目がある。大項目としては、運営体制、長期目標、汚染対策、資源循環、製品対策温暖化対策などである。回答内容の信頼性チェックは、環境報告書等との整合性を見ることで行っている。

「環境経営格付」は、調査票(非公表)を参加企業に送付し、回答された内容のエビデンスの確認のためのインタビューと経営者インタビューを実施している。3つの評価分野(経営、環境、社会)があり、そのなかに合計20程度の評価側面を設定している。それぞれの評価側面(例えば経営分野の企業統治)に対して活動展開の段階(戦略、仕組み、成果)ごとに評価し、各段階での対応状況が明確になるようになっている。企業全体をツリーとして、個々の評価側面を木の葉に見立てその対応状況を色で表現することで取組み状況がひと目でわかるようになっている。

「環境格付け」は、環境報告書やホームページなど公表された情報をもとに格付けを実施しAランク以上を公表している。格付け規準はすべてホームページで公表されている。評価項目としては、取組みの範囲、温室効果ガス削減、土壌汚染への取組み、取り組み内容の信頼性・透明性、ISO14001の取得状況などがある。入手した情報の信頼性は、環境報告書の第三者審査の有無によっている。

これらの公表された環境格付け以外に、金融機関による独自の環境格付けもある。政策投資銀行が2004年4月から始めた、環境格付け活用融資制度は、環境に配慮した経営を行っている企業に対して環境格付けを実施し、ランクによって貸し出し金利を3段階に分け優遇している。2004年度実績は32社、400億円以上とのことである。

また東京都は都内の金融機関と連携し、ヒートアイランド対策や土壌汚染対策などへの取り組みなど企業の環境への配慮を格付けし、先進企業には低利で融資する制度を創設するとのニュースもある。

環境格付けについては、調査方法、調査項目、格付け規準、信頼性の確保、公表形式などがそれぞれの機関によって様々であり、標準化された規準はない。したがって、公表された環境格付けを利用する場合には、その目的や規準、評価方法などに充分留意する必要があるが、継続して実施されているものは、企業や社会からのニーズもあり利用価値が高いといえよう。

公表される環境格付けが定着し、融資制度などの本業において活用する金融機関も現れてきたことは、企業にとって、環境への取組みが単なる広報活動ではなく、経済社会の中で生き残るための必須事項になりつつあることを示していると見てよいだろう。

今後も様々なタイプの環境格付けが実施され、それによって金融機関等の利用者のリスクが軽減されるとともに、企業の環境への取組みが加速されて、持続可能な社会の形成に、寄与することを期待する。

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