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2005/10/21

南極・昭和基地の汚水をイオンで浄化

南極・昭和基地の夏季宿舎から出る生活排水の処理に、群馬県太田市龍舞町の「中富工業」(中村幸弘社長)が開発したシステムが採用された。

イオンを利用した化学分解型で、微生物を利用した従来の処理装置に比べ、占有スペースが10分の1以下で済むなどの特長がある。装置は11月14日に、第47次観測隊とともに南極観測船「しらせ」で日本を出発する。

国立極地研究所(東京都板橋区)によると、昭和基地で1年を通して約40人が活動する越冬隊員用宿舎から出る洗濯やトイレなどの生活排水は微生物を利用した施設で処理されている。

一方、夏隊員ら約90人が12月中旬から2月中旬まで滞在する夏季宿舎は、越冬隊員用宿舎とは別の場所にある。宿舎の利用期間が短く、活動が安定しない微生物による処理はできないため、生活排水は国際条約に基づいて水で薄めたうえで海に流していた。

採用されたシステムは、有機物を分離させやすい陽イオンを含む独自の薬剤を排水に混ぜ、水と汚物を分離する。1992年ごろに群馬県内の研究者が考案し、中富工業が昨年初めに製品化の基本構想をまとめた。

設置される装置は、幅3・7メートル、奥行き2・4メートル、高さ2・5メートルのコンテナに貯水槽と反応管を収納し、微生物型に必要な暖房設備は不要。排水の処理能力は1時間に約2トンで、水質改善効果は微生物型とほぼ同じという。

装置は来年1月下旬には稼働予定。国立極地研究所は「実績によっては越冬隊員用宿舎で採用する可能性もある」と期待、中富工業の中村社長は「環境問題の中でも特に関心の高い水処理の分野で、極地での生活に貢献できるのはうれしい」と話している。

(読売 10/21)

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