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2005/12/09

温暖化でデング熱運ぶ蚊、北上中

地球温暖化による生態系の変化が、デング熱などの感染症にかかるリスクをどれだけ増大させるのかを議論するため、環境省は近く、専門家の会合を立ち上げる。ウイルスを運ぶ蚊が生息域を北上させたり、コレラや赤痢が気温の上昇と強い関連があるとされたりなど、温暖化の悪影響が指摘されている。来年2月にも提言をまとめ、地球温暖化への警鐘を鳴らしたいとしている。

温暖化が原因で国内での分布域を拡大しているとされるのは、デング熱を媒介する蚊のヒトスジシマカ。

約50年前は栃木県が分布の北限とされていたが、現在は秋田、岩手県まで北上している。将来、平均気温が1~2度上昇すると、東北地方全域に分布が広がる可能性があり、環境省は「デング熱にかかる危険がある地域は確実に広がっている」と指摘する。

一方、東南アジアに分布する日本脳炎を媒介するイエカの仲間が、沖縄県・石垣島などで確認されているという。国内での日本脳炎の代表的な媒介蚊であるコガタアカイエカについても、温暖化傾向が続けば発育速度が速まる。暑くなると蚊の体内でのウイルス増殖が活発化してしまい、感染の可能性が高まるのではないか、と心配されている。

会合では、こうした蚊を媒介する感染症だけでなく、温暖化による豪雨災害や気温の上昇で感染のリスクが高まるコレラなどの感染症についても議論する。メンバーは、国立感染症研究所の倉根一郎・ウイルス第1部長を座長に、同研究所や国立環境研究所の研究者のほか、細菌学の専門家ら12人程度を予定している。

環境省研究調査室は「温暖化問題への関心を高めるとともに、災害時の感染症防止にも役立つような提言をしたい」と話している。

   ◇

〈キーワード・デング熱〉デングウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることでかかる感染症。筋肉痛や発疹などが見られるものの軽症のデング熱と、鼻血などが頻発して死亡することもあるデング出血熱などがある。

かつては東南アジア一帯の風土病だったが、地球温暖化などで媒介蚊の生息域が拡大。中南米やカリブ海諸国、アフリカ、オーストラリア、中国などでも発生している。全世界で年間約1億人が発症、約25万人がデング出血熱を発症すると推定されている。

日本国内での感染はないが、海外旅行で感染して国内で発症することがあり、今年は11月下旬までに69人の患者が確認されて、04年に比べてすでに24人上回っている。

(朝日 12/9)

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