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2006/04/27

温暖化への取り組みからみた世界主要100社ランキングをCERESが発表

アメリカの社会的責任投資団体CERES(Coalition for Environmentally Responsible Economies:環境に責任を持つ経済のための連合)が、地球温暖化に関する取り組みの観点から世界の主要100社をランキングした報告書「企業統治と気候変動2006年調査(2006 Corporate Governance and Climate Change)」を発表した。

CO2発生への寄与が相対的に高い9業種(電力、石油・ガス、自動車、化学、産業機械、金属・鉱業、石炭、食品、森林製品、航空)で、アメリカ国内での営業活動の規模を基準に、上位企業100社が対象として選定された。その内訳は、アメリカ企業が76社、それ以外が24社であり、日本企業も数社含まれている。

ランキングは、気候変動(地球温暖化)に事前対応的に取り組むために企業が行いうるガバナンス(統治)ステップ5分野14項目をまとめた「気候変動統治チェックリスト(Climate Change Governance Checklist)」に基づき、100点満点で評価された。この5分野の項目と配点は、(1)取締役会による監督(定期的レビューなど2項目、12点)、(2)経営陣による執行(役員が気候変動の監視および対応戦略立案に重要な役割を果たしているか、役員の報酬が環境目標の達成とリンクしているかなど3項目、18点)、(3)情報公開(証券取引所への提出書類とサステナビリティ報告書についての2項目、14点)、(4)排出量の算定(算定やベースラインの設定、検証など4項目、24点)、(5)排出量のマネジメントと戦略的機会(比率ではなく総量ベースの排出削減目標の設定、排出権取引への参加など3項目、32点)となっている。

全業界を通じての最高点は、イギリスの石油会社BPの90点。同社は2005年に代替エネルギー事業ユニットを設置し、太陽エネルギー、風力、水素、コジェネに今後10年間で80億ドルの投資を計画していること等から高い評価を得た。

化学企業のトップをとったデュポンの85点は、アメリカ企業としての最高点である。同社はGHG(温室効果ガス)排出量を2010年までに1990年比で65%未満に削減すると誓約しており、排出権取引にも積極的に参加するとともに、次世代型冷却システム、燃料電池、バイオ素材、軽量金属、省エネ型絶縁などを開発中であること等が高得点につながった。

日本企業の最高点は新日鉄の67点。同社は金属・鉱業としては3位で、同業界の最高はカナダのAlcan(77点)だった。自動車業界では、トヨタが65点でトップ。BP、Alcan、トヨタのほか、ユニリーバ(食品)、Rio Tinto(石炭)を含め、5業界で、アメリカ以外の企業が最高点をとった。

しかし、CERES代表のMindy S.Lubberは、「より多くのアメリカ企業が、気候変動は重要な事業課題であり、迅速にマネジメントを行う必要があると気付いている」という。CERESは2003年に大手20社を調査したが、その時はアメリカ大手企業の気
候変動への対応は極めて限られていた。それに比べると今回の調査では、多くの重要な業界で、有力企業の取締役会や経営陣が、この問題に取り組んでいることが伺えた。

業界トップになれなかった企業の中には、すでに問題の重要性を認識し、積極的な取り組みを図っている企業もある。自動車業界でトヨタ、ホンダに続く3位となったアメリカ企業フォードは、2005年12月に、業界初の試みとして、サステナビリテ
ィ・レポートとは別に気候変動レポート(Ford Report on the Business Impact of Climate Change)を発行した。今後も、地球温暖化をビジネス上の重要課題ととらえ、戦略的に対応していく傾向は、アメリカ企業を含む世界の主要企業において確実に広まっていくだろう。

<参考資料>
http://www.ceres.org/news/news_item.php?nid=154
http://www.ceres.org/pub/docs/Ceres_corp_gov_and_climate_change_0306.pdf
http://www.ceres.org/pub/docs/Ceres_corp_gov_and_climate_change_sr_0306.pdf
http://www.ford.com/NR/rdonlyres/e6vzmdwyz2ycyehpwvuj5sdkrmfknipsreoyznmwwfqtzlwqfbfbcq44ckquxgn5xfir532knjvkq3ovbyhuscz7sfh/fordReptBusImpClimChg.pdf

(トーマツ環境ニュース)

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