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2006/04/27

日本における排出権取引を巡る国際競争

排出権取引に関する動きが、日本国内においても一段と活発化してきた。昨年度始まった環境省の「自主参加型国内排出量取引制度」の下で、今年4月から参加事業者による排出量削減が実施され、これと並行して事業者間の排出量取引も行われている。また、有限責任中間法人名古屋環境取引所と名古屋大学情報文化学部は、温室効果ガスの排出権と省エネ技術を組み合わせた取引実験を今年2月23日から実施し、今夏に本格導入を目指すことを発表した。さらに、排出権の関連で、経済産業省と環境省は、京都メカニズムを活用したクレジット取得予算として今年度54億円を計上している。

国外では、昨年10月、国連CDM理事会の承認を受けたCDMクレジット(CER)が世界で初めて発行された。また、EU排出権取引制度が開始したことにより、今年4月末までの期限に向けて、第1回目の検証済排出権の償却口座への移転が現在行われている。このように、排出権(クレジット)が実際に発行され、排出量取引がいよいよ目に見える形となったことに加え、京都議定書の削減目標(-6%)対比プラス13.4%(2004年度速報値レベル)という現状に対する危機感が、上記のような動きを後押ししている。

日本勢のみならず海外からも日本市場への参入の動きが活発である。アジア・カーボン・インターナショナル(本社シンガポール)は、日本にCDMクレジット取引所を開設すべく、合弁相手を探し始めるなど具体的な準備を進めている。また、シカゴ気候取引所(CCX)は来年にも日本に取引所を展開する方針を表明している。彼らの狙いは、海外のCDM/JIプロジェクト事業者や欧米排出権取引市場とのネットワークという強力なクレジット供給力を武器に、大きな需要がほぼ確実な日本市場をい
ち早く獲得しようということであろう。

市場参加者にとっての理想的な市場とは、安定的なシステムの下で、価格を含めた情報の透明性が確保され、自由なタイミングで希望する量のクレジットが売買できるという環境である。現段階においては、日本における排出量取引の取組は海外勢と比べて、出遅れている感が否めない。冒頭の日本国内における排出権取引への取組が国際競争を視野に入れてどのように展開されるのか、注視していきたい。

(トーマツ環境ニュース)

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