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2006/09/19

命を見直すきっかけに

政府は、生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)誘致の準備を進めており、名古屋市が名乗りを上げている。10回目の節目の会議、命のもろさや強さ、貴さを再確認する場にしたい。

生物多様性
 
187カ国が参加する生物多様性条約は、生き物の生息環境を保全し、持続的に活用できる条件を整え、遺伝資源から得られる利益を公平に分配しようと結ばれた。

世界の野生生物は、現在確認されているだけで約175万種に上る。しかし、地球全体の開発が加速する中で、多くが絶滅の危機にさらされている。トラや象などなじみ深い動物も含まれる。一度絶滅した種は二度と元には戻らない。人間を含むすべての生き物を絶滅させない、させてはならないというのが、条約の目的なのだ。

COP10が開かれる2010年は、「生物多様性2010年目標」の達成年で、それ以降の枠組みを決める、1992年の採択以来最大の節目とされている。1997年の温暖化防止京都会議(COP3)で「キョウト」が一躍国際環境都市の名声を高めたように、「環境日本」を世界へアピールできる好機に違いない。

誘致には、名古屋市が愛知県などと協調して名乗りを上げた。昨年「自然の叡智(えいち)」をテーマにした愛・地球博を成功させ、その理念継承の一環としての誘致姿勢はもっともだ。

だが、誘致はあくまでも目的ではなく、手段である。環境会議にふさわしい舞台装置が欠かせない。

政府は、条約に基づいて五年に一度の見直しが始まった「生物多様性国家戦略」を、誘致に向けてまず練り上げる必要がある。

国際的な批判が高いマグロの乱獲対策や、絶滅に向かうヤンバルクイナの保護なども早急に詰めておくべきだ。米国の条約参加も促したい。

名古屋市は、国内有数の渡り鳥飛来地である藤前干潟の埋め立て断念を機に、3割のごみ減量を成し遂げた。次いで東山動植物園を「都心の里山」として再整備する方針だ。愛・地球博は、海上の森と呼ばれる里山の保全を境に環境博への歩みを加速した。

干潟と里山、これら生き物の宝庫を基礎に、リオの地球サミット以来、環境会議の重要な要素になった市民参加、つまり担い手の“多様性”にも留意して、工夫を凝らしてもらいたい。

個々の命が軽視され、そのつながりも希薄になりがちな昨今だ。直接の参加者だけでなく、見守る地球市民にも、命の貴さ、そのつながりの大事さを十分感じてもらえるような、会議設計を望みたい。

(中日新聞 9/19)

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