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2006/09/28

両立支援策あっても「子は1人」

国内は「働く女性の割合と出生率が比較的高い」地域と、「どちらも比較的低い」都市に2極化している。そう指摘する国の男女共同参画会議「少子化と男女共同参画に関する専門調査会」の報告書を基に、“両極”の暮らしぶりから少子化対策の具体的施策を考える。まずは、働く女性の割合も出生率も低い「タイプ7」の東京都、大阪府から。

◇長い就労時間、実家は遠方--必要な「地域社会による子育て」

■東京都・男性

都内に住む男性(39)はサービス業の会社員。妻(35)も会社員で長女(2)は保育園に預けている。

妻は時短制度を利用しているが、午後6時の閉園時刻ぎりぎりに保育園に駆け込むことも多い。自身も夜の打ち合わせが多く、夕食に家族がそろうのは月3~4回だ。

共に実家は関西。2人とも帰宅が遅い日は、子育て支援サービス「ファミリーサポートセンター」を利用し、保育園の迎えとその後の保育を頼んでいる。多い時は週4回。それでも娘が病気の時はどうにもならず、実家から飛行機で駆けつけてもらったこともある。

第2子はほしい。しかし都内は保育園の待機児童が多いため、育児休業を取れば娘は退園になり、再入園できるのか分からない。今は労組専従だが、職場に戻れば、帰宅もさらに遅くなる。「子どもはほしいが、現実は難しい。実家の近くに住むべきかな」と悩んでいる。

■大阪府・女性

4歳の長女の母親で、大阪府豊中市に住む会社員(36)は「子どもを朝から晩まで『早く、早く』とせっついている。平日は少ししか一緒に過ごせないのに、それでいいのかと疑問に感じることもある」と打ち明ける。

自宅から大阪市中心部の職場までは1時間弱。午前6時前に起床し、夕食の下準備などを済ませて、8時半に出社。午後5時15分の定時で退社しようと思うと、常に時間を気にして働いている。

入社14年目。夫とは2年目に社内結婚した。周囲には結婚や出産を機に退職する人も多かったが「学生時代から、自分の食べる分ぐらいは自分で稼いで当たり前と考えていたし、仕事で得る充実感は大きい」と続けた。

夫の帰宅は夜8~9時。育児には比較的協力的だが、やはり困るのは、子どもが病気の時だ。夫婦交代で仕事を休むが、長引く時は金沢に住む母に来てもらう。「休むことを内心、快く思ってない上司もいるかも」と気を使いながら、「結局は自分の働き次第」と、自分にむち打っている。

「親とか、子育てで甘えられる人が近くにいれば、子どもとゆっくり過ごしてやれるかな」と、そういう夫婦をうらやましく思うこともある。「年齢的なこともあるし、我が家は子どもは1人と決めているんです」と、少し寂しそうに話した。

   ◇   ◇

産みやすく働きやすい社会には、何が必要か。二つのケースから読み取ってみる。

調査によると、夫も子どももいる女性の有業率はこの20年ほぼ変わらず、中でもタイプ7の地域は、総じて正規雇用の女性の割合が低い。取材した2例は共に妻が正規雇用で、その意味では比較的恵まれた環境にある。夫の理解もあり、職場の配慮、保育サービスなども受けられる。

それでも「子どもは1人」だ。つまり、保育サービスや育児休業制度など、子育て世代や女性を対象にした「両立支援策」だけでは、少子化に歯止めがかけられないことを示唆している。

この2組の夫婦に共通するのは、労働時間の長さと実家が遠方にあり、支援が受けにくいことだ。これらの数字は、統計的にも出生率に連動するとされている。

合計特殊出生率が全国最低1・02の東京都は、男性25~54歳の平日就業時間は9・71時間で全国最長。平日午後7時の在宅比率も全国平均67・98%に対し、東京54・9%で最低。大阪も59・5%だ。

また、3世代の同居や近居率も東京都、大阪府ともに低く▽同居は東京3・63%、大阪5・23%(00年)▽近居は東京4・51%、大阪7・86%(02年)にとどまっている。

タイプ7に多い大都市の住宅事情を考えれば、3世代同居は難しく、調査会は報告書で「地域における社会的な子育て支援を」と求めている。

(毎日 9/28)

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