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2007/02/17

温暖化:中層水の海水温、50年前より上昇

オホーツク海から北太平洋にかけての「中層水」と呼ばれる水深約200~1200メートルの海中水温が、50年前より最大で約0.7度も上昇していることが、北海道大学低温科学研究所長の若土正曉教授ら研究グループの調査で分かった。若土所長は「地球温暖化の影響でオホーツク海で作られる海氷(流氷)の量が減ったことが大きな原因。海の生態系全体に重大な影響を与える」と警告。早急な温暖化対策を訴えている。

研究所などが観測した最近のデータを含む過去50年間のオホーツク海と北太平洋6万3000カ所の海水温、溶存酸素量データを、若土所長と大島慶一郎助教授、中野渡拓也研究員の3人が解析した。溶存酸素量は海水中に溶けている酸素の量で、水温が低いほど多くなる。

温度上昇の傾向が最大だったのはオホーツク海西部で、50年間で0.68度、水温が上昇し、酸素量も1リットル当たり最大0.7ミリリットル減少した。若土所長は「温暖化の影響が、海の深い層にまで広がっていることに驚いている。中層水温を0.68度上昇させる同じ熱量を空気中に放出した場合、オホーツク海上空全域の気温を100度上昇させる熱量に相当する」と指摘する。

オホーツク海の中層水は東樺太海流によって南に運ばれた後、太平洋側に流出し、北太平洋の中層に広がる。海水温上昇傾向はこの経路に沿って広がっており、遠くアラスカ沖にいたる北太平洋全域で観測された。

若土所長は「オホーツク海の海氷の下を流れる海流は、アムール川の栄養分と酸素を豊富に含んだ水を太平洋に供給しており、この海域を世界有数の生物生産力の高い海にしている。中層水の昇温化は、オホーツク海から海水を送り出す機能の低下を示している」と懸念する。

研究成果は米国の地球物理学専門誌「地球物理学研究レター」に近く掲載される。

(毎日 2/17)

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