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2007/04/29

タンザニア、ゆっくり植林 NGOが現地村人と連携

アフリカ東部・タンザニアで植林を続けるNGO「タンザニア・ポレポレクラブ」(東京都世田谷区)の活動が、今年で10年を迎えた。森林伐採や干ばつに悩む同国で、現地の村人と一緒になって植林を続けてきた。これまでの植林は約40万本。スワヒリ語の「ゆっくりゆっくり」からとった団体名の通り、地道に続けてきた活動が新しい森をつくりつつある。

アフリカ最高峰、キリマンジャロの山あいにあるテマ村。今年2、3月、ポレポレクラブのメンバーら13人が村を訪れ、約1100本の木を植えてきた。

代表の藤沢俊介さん(44)にとって、タンザニア訪問は40回ほどになる。10年前に植えた木は高さ15メートルに育ち、涼しげな木陰もできていた。「よくここまでやってこられたなあと、感慨深いです」

同国では人口増を背景に、燃料のまきとなる木々の伐採が続く。森林は毎年約1%ずつ減少、降雨量も減り、干ばつも深刻だ。

過剰な森林伐採が続いていたが「森は神に授けられるもの」との考えもあり、木を切っても植える習慣はなかった。それでも90年代前半、藤沢さんは別のNGOの活動で訪れたテマ村で、植林を始めた20人ほどの村人のグループに出会った。

身近な土地は裸になり、森にいたゾウやヒョウが姿を消した。雨が減って泉は枯れ、作物も育ちにくくなっていた。小学校の教師ですら地球温暖化という言葉を知らない状況だったが、自分たちの村の問題を自分たちの手で解決しようと村人たちは動き始めていた。そんな姿を見て「自分はこれまで何をしてきたのかと、問われているような思いだった」と藤沢さんは振り返る。

97年、知人ら24人でポレポレクラブを設立。突然やってきた日本人に当初、村人は驚きと疑いの視線を寄せた。土地ごとに適した品種を植えるべきだと思っていたが、村人は直接利益につながる果樹を植えたがるなど、考えのずれも多かった。

それでも「地元の人と一緒に考えて取り組もう」と育苗や植林の方法、時期などを地道に話し合った。植林を長く続けていくため、生活の自立も目指した。苗木の販売や魚の養殖のほか、植林した木の花でハチミツがとれるよう、養蜂も一緒に始めた。

連携をとる現地の植林グループも増えた。地元で植えられる木は現在、年間で計4万本ほど。これまでの植林面積は計約250ヘクタールに及ぶ。

メンバーの一人でタンザニアに詳しい駒沢大学経済学部の古沢紘造教授(貿易論)は「NGOの中にはお金を渡して終わりという団体も多いが、それでは一時的なもので終わってしまう。ポレポレクラブのように村人と一緒になって行う活動は大切だ」と話す。

藤沢さんは以前、電子部品のメーカーに勤める会社員だったが、15年前に脱サラした。

タンザニアの村人は植林をしていても、道を歩いていても、口癖のように「ポレポレ」と話す。道ですれ違った人と立ち話が始まり、打ち合わせの開始時間が遅れることなどはしょっちゅうだ。効率や成果を優先しがちな日本との違いを実感するし、そんな現地の人々が大好きになった。

「ゆっくりでもいいから、一人ひとりが行動していけば、きっと環境は変わっていくと思う」

「ポレポレ」には、そんな藤沢さんの願いも込められている。

(朝日 4/29)

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