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2007/04/14

温室効果ガス:排出枠640万トンを政府が購入

環境省は13日、先進国の地球温暖化対策を定めた京都議定書に基づき、国内外の企業が途上国から得た温室効果ガスの排出枠約640万トン(二酸化炭素換算)を政府が購入する契約を結んだと発表した。政府による排出枠購入は初めて。購入費は総額122億円で、二酸化炭素1トン当たり約1900円となる。

議定書では、先進国が途上国に水力発電やメタン回収などの技術を提供し、その引き換えに提供による温室効果ガスの削減分を排出枠として得る「クリーン開発メカニズム(CDM)」という制度がある。政府が購入するのは、06年度に丸紅など日本、中国、英国の計4社がCDMで得た枠。日本は08~12年にかけて温室効果ガスを90年比で6%減らす義務があり、今後購入量の増加が予想される。

(毎日 4/13)

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コメント

ご無沙汰しております。お元気ですか。

いよいよ世界各地でグローバル・カーボン・マーケット構築に向けた動きが徐々に活発化してきましたね。やがて近い将来、ドルに変わってカーボンが国際通貨になる日が来るかもしれませんね。これは絵空事ではなく、きわめて現実的な可能性の議論であると考えます。

いまから2年前にできた欧州排出権取引制度(EU ETS)以外でも、オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州では既に「温室効果ガス削減計画(NEW GGAS)」が導入済みで、京都議定書を批准していない米国でも、来年の大統領選を睨み地球温暖化対策法案の議員立法準備が進められていると聞きます。またそれに先んずる形で、北東部7州では「地域温室効果ガス・イニシャティブ(RGGI)」導入が予定され、西部5州も、本年2月に「西部地域気候アクション・イニシャティブ(WRCAI)」を発表、18ヶ月以内にキャップ&トレード・プログラムを設計することを表明してます。注目すべき点は、米国市場が、大西洋を越えて欧州市場とリンクしたグローバル・カーボン・マーケットの創設も視野にいれていることですね。

世界各地で起こりつつあるこうした「脱炭素社会」を目指した排出権市場創設の動きは、やがては欧米中心に市場間相互リンクを通じたグローバル・カーボン・マーケット構築に発展してゆくでしょう。

そして、依然として解決すべき課題は山積しているものの、来年の地球環境サミットや米国大統領選次第では、さらには途上国とのダイアローグの帰趨いかんでは、中国、インド、ブラジル等、途上国の参加も視野にいれた本格的なグローバル・カーボン・マーケット構築に向けて一気に気運が加速する可能性もあろうかとも期待してます。やや楽観的ですが。

こうした中にあって、我が国にはまだ排出権市場がないのが残念ですね。ようやく本年3月に改正温暖化対策法が施行され、排出権取引に必要な排出権の法的性質の整理や国別登録簿制度等法的インフラが整いつつある段階。排出権を国際移転するためのトランザクション・ログへの接続も近々実現予定で、排出権を小口化し円滑な移転を可能とする信託方式導入の準備も始まりつつある。しかし肝心の温室効果ガス削減状況は厳しいものがある。経団連の自主行動計画に基づき電力、鉄鋼、電気等業界ごと35業種に対し削減目標値を設け削減努力を行っているものの、現実は削減どころか90年度比+8.1%も増加(2005年度実績)してしまっている。90年度比-6.0%削減目標達成は予断を許さないのが実態です。我が国においては、欧州流の義務型排出権制度導入に対して経済界中心に経済競争力減殺を懸念する声が多く制度導入に強い抵抗があると聞くが、日本がバスに乗り遅れないためには、自主参加型ではなく、欧米並みのキャップ&トレード・プログラムの設計と炭素税導入によるポリシーミックスを前向きに検討する必要があろうと思います。

ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は、「環境規制の厳しい国ほど効率的な生産を行うようになり、産業競争力が高い」と述べています。
WWFはこのポーター仮説について我が国でのシミュレーションを行っている。その結果、短期的には環境対策はコスト高であるが、中長期的には輸出産業を育成し、産業構造がより付加価値集約的なることで雇用増加にもつながることが検証され、2015年時点で、環境対策の推進に伴う産業育成効果によるGDP増加は19兆円、国内対策コストを差引いた純経済メリットは14兆円、雇用者は140万人増加すると予想している。我が国には、トヨタのプリウスに象徴される世界に誇れる高水準の環境対応技術がある。毅然として世界に範たる環境立国の構築を推進してゆくことが日本の責務だと考えます。

いま日本に求められているのは、脱炭素社会に移行するための道筋をグローバルで長期的観点から構築する構想力と、それを確実に具体化する実現力でしょう。政府は今通常国会で「二十一世紀環境立国戦略」を打ち出し、そして6月には、温暖化対策も含めた「環境立国」のあり方を提示する予定ですが、日本が、近い将来地球的規模で構築されようとしているグローバル・カーボン・マーケットにおいて中核的な役割を担い脱炭素社会に向けて力強くリーダーシップを発揮してゆくことを期待します。

投稿: 徒然人 | 2007/04/15 17:11

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