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2007/05/04

温暖化抑止の「選択肢」はあるが・・・

先進国首脳会議G8での最重要議題は経済の持続的な成長である。先進主要国のみならず、主要な温暖化ガス排出国はGDPマイナス3%を受け入れるだろうか。おそらく欧州の一部の国を除いて、経済成長よりも温暖化抑止を優先とする政治的決断はしないだろう。アメリカもカナダも中国もインドもロシアも、そして、日本もである。途上国に至っては経済成長による貧困からの脱却が最優先課題であるから、政策的な問題による貧富の格差は別にして、経済成長を志向する路線を転換するという選択はあり得ない。

また、経済成長よりも温暖化抑止を優先する政策(世界中の国が軍事予算を半減させるのと同じくらい非現実的な話ではあるけれども)を、世界中の国が一致協力して最大限やったとしても、産業革命以来の気温上昇は2℃を超える。実際には最悪の場合(実現可能性は高いと推測されるが)2030年の温暖化ガス排出量は90%の増加となる。つまり予測値の幅は「2050年までの43年間に50%まで減少」~「2030年までの23年間に190%まで増加」である。

温暖化抑止を阻害するのは、根源的には際限のない人間の欲望であり、最大の環境要因は経済活動の果実である富の偏在・貧富の差の問題である。地球環境が許容する人口の範囲内でより多くの人間が人間らしく生きられるようにするならば、先進国の生活レベルの大幅な引き下げと途上国の生活レベルの引き上げによる格差の是正が必要である。

しかし、現実には市場主義経済、さらにはグローバリズムの進展の下に貧困層から富裕層への富の搾取・シストはさらに進んでおり、先進国でも途上国でも一部の富裕層への富の集中、脱出できない貧困層の増大は進んでいる。さらには資源や食糧を巡って紛争地域の数だけ武力衝突が起こる可能性がある。利権を争う武力衝突はすでに世界各地で起こっている。

温暖化抑止を「地球にやさしくする活動」と考えるのは視野の狭い思い違いであり、数℃の気温の変動は地球環境の長い歴史においては大きな出来事ではない。よりインパクトの大きな環境変化はいくつもあったことが分かっている。地球の問題ではなく、その中で生かされている生き物の問題なのである。

問題なのは、人間社会が僅か2℃の気温変動による環境変化によって大きなダメージを受ける、環境変化に対する適応能力がないということ。気温上昇が6℃を超えたらおそらくは壊滅的な影響を受け、生き延びられるのは一部の幸運な避難民(環境変化に適応できた人々)だけになるだろうということである。「不都合な真実」で描かれた数億人の環境難民という想定は最終的・最悪の状況ではない。

◇温室効果ガスの大幅削減可能、国連パネルが報告書

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070504STXKF004604052007.html

(日経 5/4)

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