« 中国、炭素隔離技術の譲渡を先進国に呼びかけ | トップページ | 三井住友銀行が温暖化ガス排出権仲介ビジネス »

2007/06/16

異常気象

●異常気象と地球温暖化
 
異常気象と地球温暖化の直接的な因果関係は、まだ解明されていない。しかし、世界規模で発生している異常気象は、一般的に地球温暖化と関係しているとみられている。

人類の産業活動が活発化することにより、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの排出量が増加してきた。それに伴い、大気中の温室効果ガスの濃度が高まり、熱の吸収量が増えて気温が上昇している。平均気温の上昇は、多雨や集中豪雨による洪水、少雨による乾燥化、豪雪地帯の小雪をはじめとする降雨傾向の変化、台風・ハリケーン・竜巻の頻発・大型化、猛暑・暖冬などの異常気象を発生させるといわれている。

●異常気象がもたらす影響
 
異常気象がもたらす自然災害は、多数の死者・被災者などの犠牲者を出すだけでなく、災害地域に経済的にも大きな被害を及ぼす。被害は穀物をはじめとする農作物の生産やインフラの破壊など社会・経済活動に広く影響を与えている。

例えば、2006年のオーストラリアは最も乾燥した1年と言われ、記録的な干ばつが発生。小麦など農作物が不作に陥り、農業収入に大きく依存する同国経済は大きな打撃を受け、成長率の見通しの下方修正を余儀なくされた。米国では、2005年に南部を襲ったハリケーン・カトリーナの影響を受け、2006年にフロリダ州のオレンジが減産となった。

一方、2007年春のフランスでは、全国的に高温で降雨量も極めて少なく、 降雨量ゼロを記録した地域(フランス北部のリールでは2007年4月に降雨量0mmを記録。同月、パリで 5mm、リヨンで16mmであった。)もあった。この異常に乾燥した気候の影響で農作物は様々な悪影響を受けており、ロイター通信の5月2日の発表によると小麦価格は4月初めから5月にかけて約15%上昇した。日本でも3月以降、西日本を中心に少雨が続いており、中四国地方ではダムの貯水率が約18~64%(6月12日時点、国土交通省発表)と、平年の同時期を大幅に下回っている。少雨がさらに続くようだと、稲や果樹など農作物生産への影響が懸念される。

■2006年の1年間だけでも、異常気象による被害は甚大だった

発生時期 / 国名 / 災害の種類 / 被災者数

1月~6月 / コロンビア / 地すべり・洪水 / 22万1238

5月中旬 / フィリピン、中国、ベトナム / 台風・地すべり / 127万4238

5月下旬 / タイ / 洪水 / 34万2895 810万

7月14日 / 中国 / 洪水・熱帯性暴風雨 / 2962万2000

7月下旬 / エチオピア / 洪水 / 36万3658

8月10日 / 中国 / 台風 / 592万

8月 / インドネシア / 洪水 / 600万

9月下旬 / フィリピン、ベトナム / 台風 / 544万2951

11月 / ソマリア / 洪水 / 90万

11月下旬 / フィリピン、ベトナム 台風 / 473万6342

出典:「世界の自然災害の状況2006」平成19年版防災白書の概要(内閣府)

●異常気象への対策と動向
 
IPCCの第2作業部会が4月に公表した第4次評価報告書は、「温暖化が現実に起きている」とほぼ断定し、それにより発生する異常気象やその影響の深刻化を予測した。IPCCでは、異常気象への対策を講じることが、地球温暖化への対策にも結びついていくと位置づけている。

一方で、温暖化を防ぐ最も重要な対策は、エネルギーを効率的に使用することである。ライフスタイルや行動を変化させるとともに、既存の技術をフル活用し、効果的な政策を取り入れることで、温室効果ガスは大幅に削減できるとIPCCは見ている。こうした動きに呼応するように、世界の産業界でも、温室効果ガスの削減に向けた実質的な行動が起こされるようになってきた。

例えば米国産業界は、米政府の方針に先行し、国内の炭素規制を推進する目的で、有力主要10企業の参加による「米国気候行動パートナーシップ」(USCAP)を結成した。アルコア社、デューク・エナジー社、デュポン社、GE社などの参加企業は、環境NGO(非政府組織)と協働し、今後10年間で温室効果ガスを最大10%削減するという目標を掲げている。その背景には、カトリーナによる甚大な気象災害を機に温暖化に対する意識が高まったことに加え、EU市場からの米国企業の排除を回避するという狙いがある。

IPCCの第3作業部会の第4次評価報告書では、異常気象に対して速やかに明確な行動を起こせば、気象被害によるコストは管理可能な額で収まるとしている。異常気象が及ぼす環境的・社会経済的な影響の重要性を理解し、被害を最小にすることが将来世代のために不可欠である。

▼「異常気象レポート2005 概要版」:気象庁

▼気候変動に関する政府間パネル(IPCC)(英語)

▼「防災に関してとった措置の概況 平成19年度の防災に関する計画 要旨」平成19年版防災白書の概要:内閣府

▼米国気候行動パートナーシップ(USCAP)(英語)

(日経BP 6/14)

☆持続可能な社会と金融CSR【HP版】はこちら♪

★有意義な情報/記事を見つけたと思われた方は、クリックをお願いします!
人気blogランキングへ
Blog_ranking_2

|

« 中国、炭素隔離技術の譲渡を先進国に呼びかけ | トップページ | 三井住友銀行が温暖化ガス排出権仲介ビジネス »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/84872/15452407

この記事へのトラックバック一覧です: 異常気象:

« 中国、炭素隔離技術の譲渡を先進国に呼びかけ | トップページ | 三井住友銀行が温暖化ガス排出権仲介ビジネス »