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2007/07/05

カーボンオフセット

●自らの“カーボン”排出量を知ることが第一歩
 
カーボンオフセットは、自らのCO2排出量を知ることから始まる。その方法として、英国の環境団体の「クライメート・ケア」(Climate Care)は、日常生活の行動をCO2排出量として算出し、相殺するのに必要な金額に換算するウェブサイトを運営している。

日常の生活や経済活動のなかで排出されるCO2量を知ることは、人々の意識の向上や行動の変化を促す。人間活動が地球に与える影響を中和させるという点で、カーボンオフセットは有効だと考えられており、個人でも企業でも取り組むことができる。

カーボンオフセットの販売を初めて手がけたのは英国のカーボンニュートラル社で、1997年のこと。現在は、約40の事業者や団体が米国、オーストラリア、ドイツ、カナダなどに存在している。カーボンオフセットを取り扱う事業者や団体は、森林吸収、再生可能エネルギー、エネルギー効率向上などに資するプロジェクトに投資をする。購入者は、自らが排出したCO2の量を金額に換算し、事業者や団体に支払うことで、CO2の排出量を相殺する。

●自主的な企業の取り組み
 
カーボンオフセットの取り組みに関心を寄せる大企業も多い。国際金融大手のHSBCやスポーツ用品大手のナイキは、事業活動で排出したCO2をカーボンオフセット事業者との協働や、航空会社との提携などにより相殺している。

またブリティッシュ・エアウェイズ(BA)やスカンジナビア航空は、乗客の渡航距離に応じて、CO2排出量に相当する金額を提携する環境団体やカーボンオフセット事業者に寄付する取り組みを行っている。

日本でも動きが出ており、TBSは今年、CO2排出削減クレジットを認証するラベリング制度である「ゴールド・スタンダード」の削減クレジットを採用した。これは、新社屋建設などで省エネに取り組む一方で、CO2排出量の一部を相殺するため。

「ゴールド・スタンダード」とは、CO2削減プロジェクトの質についてWWF(世界自然保護基金)が開発した評価基準であり、認証には以下の三つのスクリーニングが必要である。

・プロジェクトの的確性
・追加性およびベースライン
・持続可能な発展への貢献
 
WWFでは、この三つのポイントから審査することで、排出削減クレジットの質を高めることを狙っている。

●急がれる仕組みづくり
 
米国のNPO(非営利組織)「ビジネス・フォー・ソーシャル・レスポンシビリティ(BSR)」が2006年12月に発表した調査によると、カーボンオフセットの取り引きを含む世界全体の自主的なカーボン市場の規模は約12億3000万円と推定されている。

カーボンオフセット市場が拡大している海外では、事業者や団体の参加が増えるにつれ、取引における基準の統一や透明性ついて議論が起きている。英国の環境・食料・農村地域省(DEFRA)は2007年1月、新たにガイドラインを策定すると同時に、新ガイドラインに見合う4つの事業者・団体を併せて発表した。DEFRAは、ガイドラインは実効力を持たないとしながらも、新ガイドラインが認証策定への一歩だと声明を発表した。まだまだ実験的な試みだが、地球温暖化に対する危機意識が醸成されるなかで、個人でも参加できる仕組みとして徐々に根付き始めようとしている。

<関連サイト>

◆クライメート・ケア(Climate Care)(英語)

◆「カーボンオフセット」:コンサベーション・インターナショナル

◆「ゴールド・スタンダードについて」:世界自然保護基金(WWF)

◆全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)

◆「二酸化炭素排出量削減-カーボンオフセット」:スカンジナビア航空

◆「CO2削減への取り組みとして「カーボン・オフセット制度」をスタート」:ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)

◆「国際制度DB」:国立環境研究所 地球環境研究センターウェブサイト

(日経BP)

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コメント

ご参考までに2007/6/11に掲載したmixiの日記を転載します。
Climate Experts の PEAR Carbon Offset が日本における同様の活動になりそうですが、まだ、これからの段階です。

******************************************************************************

しっかりレポートできないでいるので、とりあえず。両方とも先方よりお誘いがあり会談したもの。

5/30 サイバーエージェント社・N氏と意見交換。テーマは「グリーン金融とサービスポイント」。

ふわふわの段階の企画であるが着想はいい。しかし、環境問題や環境金融(商品)についての理解はこれから。自分のサイトからリンクで飛べる先の解説を主に勉強の材料をたっぷり提示してきた。どこまで企画を熟成させてくれるか、また、世に送り出すところまで持って行けるか、お手並み拝見。

6/4 Climate Experts の松尾直樹さん、みずほ第一FT・浜岡さんと意見交換。(築地で飲みながら)お二人とも筋金入りの温暖化関連の専門家。

松尾さんはもともと研究者かつコンサルタントであり、現在は「PEAR Carbon Offset Initiative」(http://www.pear-carbon-offset.org) というBig Waveを社会に生み出そうとされている。その意義は疑いようもないが、企画書を見せていただいた感想は、社会的な潮流を生み出すためには(より多くの人を巻き込むためには)「俗」な部分をもっと取り入れる必要があるだろう、というもの。松尾さんは高い志と構想力をお持ちなのだけれど、世の中の大半の人は社会のために利他的に行動しようとはしない。社会を変えるような潮流にするには高邁な理想を持たない利己的な人々をも動かさねばならないと思う。

浜岡さんは金融業界にあっては非常にユニークな存在である。金融の世界にあって、これだけ環境問題に深く通じている方は何人もいないと思う。間違いなく環境金融の専門家である。FTは金融商品開発をする会社であるが、FGの経営企画をするセクションに浜岡さんのような方がいらしたら、みずほFGの環境経営の在り方もずいぶん変わるだろうなぁと思う。

投稿: ペンギン | 2007/07/08 10:51

初めまして、研究者として金融機関の環境対策は興味があるので、よく見ています。

指導教官した生徒でDEFRAに就職した方がいます。その彼女から、DEFRAもCO2排出量を計測するサイトを立ち上げましたと、数日前メールが来たました。

Climate careもいいですが、新しいDEFRAのサイトも見てやってください。まだテスト段階で、フィードバックが必要なそうです。

詳しくは:
http://d.hatena.ne.jp/euro-envi/20070705

で説明しています。よろしくお願いします。

投稿: euro-envi | 2007/07/06 07:56

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» 英国の環境・食料・農村地域省(DEFRA)のCO2排出量を計測するサイト [ヨーロッパから環境事情 (オックスフォードの環境博士の日記)]
金融機関の環境(気候問題)への対策は自分の一番の関心事のひとつなので、こちらのサイトはよく見ている: 持続可能な社会と金融CSR 特に、今日のカーボン・オフセットの話からは色々と学んだ: http://csrfinance.cocolog-nifty.com/mirai/ ただ、ひとつカーボン・オフ... [続きを読む]

受信: 2007/07/06 07:47

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