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2007/08/28

バイオマス発電

日経ECOマネジメントの用語解説

●バイオマスの種類と発電利用
 
バイオマス発電は、バイオマスエネルギー利用推進の一つとして、2002年5月、「電気事業者による新エネルギー等の利用の促進に関する特別措置法」の対象エネルギーに明記された。また、2004年11月に 家畜排せつ物法 が完全施行されたことにより、九州などでは、家畜の糞や木屑などの生物資源を利用した発電が行われてきた。

バイオマスには数多くの種類があるが、エネルギーの利用法を大別すると、燃焼に伴う熱を直接利用するものと、燃焼から得られる電力を利用するものの二つに分けられる。後者がバイオマス発電であり、バイオマスを直接燃焼して電力を得るもの、チップ化するなど固形の発電燃料とするもの、また、いったんガス化・液化して発電用燃料とするものなど、さまざまな利用方法がある。

バイオマスの具体例としては、家畜や人間の糞尿、間伐や製材時に出る端材・おがくず、また、農業系のバイオマスとして、もみ殻、ワラ、サトウキビの搾りかすなどが見られる。木材などの固体は直接燃焼するか、チップ化することが多いが、糞尿のような液体は、発酵させてメタンなどのガスを回収、発電に利用する場合が多い。

世界全体で、バイオマスエネルギーの賦存量は年間254兆MJ(メガジュール)と言われる。世界の1年間の一次エネルギー総供給量420兆MJ(2000年)の約6割を賄える計算だ。日本でも、年間1兆7600億MJの賦存量があり、一次エネルギー総供給量23兆4000億MJの約7.5%に相当する。

●バイオマス発電と市場の拡大
 
バイオマスの発電利用が世界的に進みつつある背景には、バイオマスの特徴であるカーボンニュートラルに対する期待、すなわち、気候に影響を与えずに、人類のエネルギー需要に応えることへの期待の高まりがある。また、エネルギーが世界中に遍在しており、森林、農地、都市など、それぞれの地域ごとに、さまざまなバイオマスを利用できることから、電源開発の余地が大きいことが挙げられる。さらに分散型電源として、未電化地域や離島など送電コストの高い地域で電力自給に利用できることも普及の一因になっている。

バイオマス発電は、海外での利用が先行しており、国内企業は、海外市場での受注を通じて技術の蓄積を行ってきた。最近の国内需要の高まりを受け、これらの技術を利用する形での受注が増えている。

富士経済(東京都中央区)がバイオマス技術・製品の市場について調査・報告した『2006年版バイオマス利活用市場の全貌と将来予測』によると、2012年度の国内企業のバイオマス関連売上高は、2005年度比で約3.5倍の2528億円と予想されており、今後の急成長が期待されている。

●木質バイオマス発電の市場動向
 
次に、国内に多い木質バイオマスの事例をいくつか見てみよう。2006年の林野庁資料によると、2004年度の木材産業における木質バイオマス発電機の設置数は国内29基と、2000年に比べて倍増している。

木質バイオマス発電については、2006年に、国内最大級の出力1万kWクラスの発電所の商用運転をファーストエスコが開始、大分県日田市にある日田発電所で使用する燃料は、地域で発生する木質資源を原料として作られている。設備の中心となる循環流動床ボイラーは木質チップの持つエネルギーをより高い燃焼効率で引き出し、発電効率約27%と、木質専焼発電所としては高い水準となっている。

こうした木質バイオマスの直接燃焼よりもエネルギー変換効率が高く、使いやすいガス化や液化の技術開発も進められている。ガス化については、国内メーカーが独自技術により、木質バイオマスガス化発電施設を整備し、実用化に向けた取り組みが進んでいる。さらに、JFEエンジニアリング(東京都千代田区)のように、海外で開発された木質バイオマスガス化発電の商用プラントを国内で販売する動きもみられる。同社は、2005年度に国内最高水準の発電効率を持つ木質バイオマスガス化発電設備をやまがたグリーンパワー(山形県村山市)から受注した。出力は2000kWと、国内で稼働する木質バイオマスガス化発電設備としては大型に属する。ガス化効率の高いガス化炉とタール含有水処理設備、ガスエンジンなどで構成され、発電効率は30%に達し、余剰電力は売電するとしている。また、2006年3月には月島機械が秩父市(埼玉県)から出力115kWの商用設備を受注し、現在、「ちちぶバイオマス元気村発電所」として、温浴施設で利用しているほか、余剰電力は売電している。

こうした実用化に向けた企業の動きを見ると、バイオマスの地場調達と電力の地場消費が特徴となっており、分散型エネルギーの開発として今後も期待できる。

【関連サイトガイド 】

▼「バイオマスエネルギーって何だろう」:NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)

▼「バイオマス発電・熱利用」:財団法人新エネルギー財団

▼「バイオマス・ニッポン」:農林水産省

▼「バイオマス情報ヘッドクォーター」:東大総研(東京都文京区)

▼PDF「バイオマスエネルギー開発・利用戦略の検討状況」:資源エネルギー庁

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