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2007/08/11

太陽光発電

日経BP ECOマネジメントの用語解説

●太陽光発電の市場状況
 
太陽光発電は一般的な発電方法として急速に普及している。2005年末までに世界全体で3700MWが導入されていたが、太陽電池に関する世界的な調査を行う米PV Energy Systems社によると、2006年度の太陽電池の世界生産量は2520MWに達した。

2006年の生産量企業別シェアではシャープ17.2%、クー・ツェル(独)10.0%、京セラ7.1%、サンテック(中国)6.3%、三洋電機6.2%、三菱電機4.4%となり、日本企業が上位に名を連ねている。日本の国別シェアは36.8%を占め1位である。日本は導入量でも、2005年にドイツに追い抜かれるまで、1997年からずっと第1位を維持していた。

日本で太陽光発電の生産・導入が進んだ背景には、オイルショックを機に充実が図られた、国から企業などへの研究助成や補助に加え、1994年度に始まった、住宅への設置に対する国の補助金制度の効果が大きい。

この補助金制度は2005年度いっぱいで終了したが、経済産業省は、RPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)などを通して電力会社に対する利用義務化を強める方針で、今後も国内における太陽電池導入の拡大基調は続くと見られている。

ここ数年、日本を上回る勢いで太陽光発電システムの設置が進んでいるのが、導入量世界一になったドイツである。日本のRPS法での目標は、「2010年に全国の電力供給量の1.35%」だが、ドイツのRPS法では2010年の目標を12.5%、2020年を20.0%にそれぞれ設定している。こうした目標実現のために、電力会社による固定価格買取制度を導入しており、太陽電池設置者の投資回収リスクが非常に小さくて済む。2004年には世界4位だったドイツのクー・ツェルが2005年に2位に躍進した背景には、こうした政策による後押しもあるだろう。

●進化する太陽電池の技術
 
太陽電池は、使われる半導体の材料によって大きくシリコン系と化合物系に分類される。シリコン系の半導体は結晶系と薄膜のアモルファス系に分けられ、結晶系には、さらに多結晶シリコンと単結晶シリコンの二種類が存在する。

現在は、変換効率(光のエネルギーを電気に変える効率)が15%の多結晶シリコンが主流となっている。一方で、アモルファス系は性能面に課題があるものの、製造時のシリコン量が結晶系に比べて数百分の一の量で済むこと、製造温度が低いこと、シリコン原料ガスの制御によって膜の性質を制御できること――などから、低コスト大量生産に向いている。

太陽電池の製造では、材料の半導体製造過程を中心に大量のエネルギーが消費される。その製造に要したエネルギー相当分を自らの発電で回収・相殺するのにかかる期間をEPT(エネルギー・ペイバック・タイム)と言い、太陽電池の性能を表す指標として使われている。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)では、多結晶シリコンのEPTは約2年、アモルファス系のEPTは約1 年と試算している。

太陽電池の場合、半導体の種類により性能やコストが異なるため、使用目的に合ったものが選択されている。可視光線の利用を中心に開発されてきた従来型の太陽電池と異なり、近年、紫外線によって発電し、可視光線をそのまま透過させることができる透明な太陽電池も開発されている。この太陽電池を窓ガラスや壁面シートに利用する研究が進めば、今まで以上に用途を広げることができ、設置面積を広げることができるようになるだろう。

●今後の普及拡大への期待
 
太陽光発電が世界的に普及し始めた背景には、数多くのメリットがある。

まず、エネルギー源が太陽光であり、発電時に温室効果ガスを一切排出しない。また、導入単位が小さく騒音や排出物もないため、日照さえ確保できれば、設置場所を選ばない。例えば、住宅の屋根やビルの壁面などに設置でき、電源開発の余地が非常に大きい。

そして、利用可能なエネルギー量(賦存量)が大きい割に、ほかの発電システムに比べて比較的安価な資金で導入することが可能である。エネルギー源が遍在しており、分散型電源として、非電化地域や離島など、送電コストの高い地域でも電力自給が可能になる。設備も小規模で済み、モンゴルなどの遊牧民のなかには太陽光パネルを持って移動する世帯も存在する。このほかにも、故障さえしなければ、基本的にメンテナンスフリーで運用コストがかからない。さらに、強化ガラスで保護されている発電パネルについては、20年以上の耐用年数を期待できるなどのメリットがある。

日本のようなエネルギー自給率の低い国では、純国産の枯渇することのないエネルギー源としてエネルギー安全保障の観点でも期待されている。IEA(国際エネルギー機関)の「砂漠地域における超大規模太陽光発電システムの可能性研究」によると、ゴビ砂漠の半分に太陽電池を敷き詰めれば、世界全体の電力需要を太陽光発電だけで満たせる、という試算もある。

<関連サイトガイド>

▼「太陽光発電って何だろう」:NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)

▼「太陽光発電」:財団法人新エネルギー財団

▼経済産業省総合資源エネルギー調査会第15回新エネルギー部会資料「太陽光発電産業について」:経済産業省

▼「太陽光発電導入状況」:太陽光発電協会

▼「コラム 砂漠からのエネルギー」:みずほ情報総研

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