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2007/10/21

貧困を固定化する児童福祉政策

◇母子家庭への児童扶養手当削減 「貧困に追い打ち」シングルマザー悲鳴

平均年収213万円(06年、厚生労働省調べ)。全世帯平均の4割にも満たない収入で、厳しい生活を強いられている母子世帯。その支援策の柱になっている児童扶養手当の一部削減が、来春から実施される。福田政権発足にあたり、自公両党は削減凍結で合意したが、全面凍結にはならないとみられる。国の財政難を背景にした「自立」の2文字が母子家庭に重くのしかかる。【山崎友記子】

◇病気で休職/子の進学断念

「児童扶養手当は生命線。削減で子どもたちの未来を奪わないで」

14日、東京、大阪、福岡など各地で行われた手当削減の凍結、撤回を訴える緊急行動。東京では約30人のシングルマザーが参加し、かわるがわるマイクを握り、「子どもが小さく、これ以上無理に働けない」「生活が苦しく、子どもを高校にさえやれない」--などと窮状を訴えた。

参加したある母親(34)は小学3年と1年の2人の娘と都内で暮らす。うつ病のため、現在は仕事を休み、元夫からの養育費7万円と月約4万7000円の児童扶養手当が生活の支えだ。

だが、家賃だけで月6万4000円。ギリギリの生活だ。手当を受けて4年が過ぎ、減額が始まるとされる5年の期限が近づくなか、「どれだけ減らされるのか」と不安を募らせる。

病気になる前は、保険会社や飲食店など、さまざまな仕事を経験した。しかし、給料が月10万円を超えたことはほとんどない。「子持ちの女性の職探しは難しい。収入を上げるためには、夜遅くまで働ければいいのかもしれないが、子どもをみてくれる人もいない」と悩みは深い。

夜勤の経験もあるが、帰りの遅い母親を心配して子どもたちが不安定になり、自分も無理がたたって体調を崩した。女性は「働いていても、手当をもらわないで生活できる人は少ない。手当を削減するのは、国がさらなる貧困を作るようなものだ」と訴える。

一方、離婚して13年という千葉県のシングルマザー(41)は時給750円のパートからスタートした。その時給を100円上げるのに7年かかった。「娘は看護師になるのを夢みていたが、生活が苦しく、高校卒業後は就職させるしかなかった」と無念さを語った。

◇5年期限に反発強く--「生活むしろ苦しく」

「なぜ5年なのか」--。手当削減では、期限を設けてカットする手法にも反発が強い。

NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事は「国は離婚から5年程度で収入が増加すると言うが、収入ゼロの状態からすれば増えるのが当たり前」と指摘。さらに「子どもの成長とともに教育費が増えたり、仕事が忙しくなって体を壊したり、5年を過ぎてむしろ生活が苦しくなったという声が強い」と訴える。

国立社会保障・人口問題研究所の研究員、阿部彩さんが06年に行った調査(対象・347母子世帯)によると、母子家庭となってからの勤労所得の変化は、伸び率が大きいのは3年目までで、その後は伸び悩む。

阿部さんは「離婚後、所得が増えるかどうかは雇用形態の差が大きい。正規雇用でないと、ほとんど上昇しない。何年たったかはさほど関係がないのに、手当の支給期間を制限するのは望ましくない」と分析する。

厚労省が昨秋実施した「全国母子世帯等調査」で、母子家庭の母親の常用雇用者の割合は42・5%と、前回03年調査に比べ3・3ポイント増加した。ただ98年調査では、50・7%の母親が常用雇用者として働いており、雇用状況は依然厳しい。

国は、資格取得の給付金制度など、就労や養育費確保などの自立支援策を用意してはいる。これに対し、NPO法人Winkの新川てるえ理事長は「スキルアップはいいが、高額な初期投資が必要だったり、取れる資格が限定され使い勝手が悪く、有効に利用できたという声をあまり聞かない。支援策を知らない人も多い」と批判する。

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◇児童扶養手当

離婚による母子家庭や、死別でも遺族年金がもらえないなど、経済的に厳しい家庭に育つ子どもを対象に支給される。児童1人で、月額4万1720~9850円。所得制限があり、満額の4万1720円を受け取れるのは年収が130万円まで。所得が増えると支給額は減り、365万円を超えると受給できない。受給者数は今年3月末で過去最高の95万5844人。国は就労などの自立支援に重点を変えるとして08年春から、受給後5年などを経過すると、手当を最大で半額に減らすことを一応決めている。削減による財政効果は年約160億円。

(毎日 10/21)

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投稿: みさ | 2007/10/25 14:30

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