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2008/05/29

温暖化:2030年に国内被害額年間1兆円増、浸水52万人も

大学や国立研究所など14機関の研究チーム「温暖化影響総合予測プロジェクト」(代表=三村信男・茨城大教授)は29日、地球温暖化が及ぼす国内の被害予測結果を発表した。2030年には、豪雨増加による河川のはんらんで被害額が現状より年間1兆円増えるほか、東京、大阪、伊勢湾岸と西日本で高潮による浸水が2万9000ヘクタールに及び、52万人が被害を受けるなど甚大な災害が起きる可能性があると推定している。

水資源、森林、健康などの分野別に、研究者44人が温暖化の影響を初めて総合評価した。温室効果ガス削減が進まない最悪のシナリオを基に、平均気温は2030年に1990年比で1.9度上昇するなどの仮定で試算した。

その結果、「100年に1度」の集中豪雨が2030年には「50年に1度」の確率に増え、特に三重、高知県などの太平洋沿岸や北陸、中国地方などの山間部で洪水被害が広がることが判明。東京、大阪など大都市圏も洪水が避けられず、被害額は急増すると試算した。また台風の強大化と海面上昇が進み、高潮による浸水面積が拡大し、浸水被害を受ける人口は2000年(29万人)の倍近い52万人に及ぶと推計した。

気候変化による森林への打撃も深刻で、今世紀半ばにはブナ林が現在の44%と半分以下の面積に減少し、西日本や本州の太平洋側ではほとんど消滅。世界遺産の白神山地(青森、秋田県)のブナ林も、今世紀末ごろにはなくなってしまうと考えられるという。

研究グループはこのほか、熱中症や光化学スモッグによる死亡リスクの増大も指摘。気温が一層高まる2100年には、感染症のデング熱を媒介するネッタイシマカが、千葉県南部まで北上するとしている。

三村教授は「途上国ばかりでなく日本でも非常に大きな被害が予想されると分かった。今後特に弱い地域を洗い出し、対策を講じることが必要だ」と訴えている。

(毎日 5/29)

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