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2008/05/27

バイオ燃料めぐり各国で意見衝突・国連で議論始まる

発展途上国で暴動が相次ぐなど深刻化しつつある食糧危機について国連を舞台に本格的な議論が始まった。来月ローマで開かれる食糧サミットの呼び水に、と20―22日にニューヨークで開催された経済社会理事会の特別会合では食糧高騰の“主犯”とも指摘されるバイオ燃料の扱いで関係国の意見が衝突、「問題解決の困難さをうかがわせる」(国連外交筋)展開となった。

「きょうも飢餓を理由に(全世界で)2万5000人もの人が亡くなっている」。同会合にビデオで参加したブラウン英首相は語気を強めた。

ここ数年、原油の高騰と相応する形で穀物価格が高騰。中南米、アフリカなどで暴動が発生しているほか先進国の経済にも影響を及ぼし始め、「全世界的な問題」(インド代表)となっている。

同会合は危機表面化後、各国が意見を交わす初の機会となったが、特に深刻なのは途上国。「暴動などで政情が不安定に」(ハイチ代表)「今年は18万トン以上の食糧が不足しそうで、輸出を制限されると大変な事態になる」(ナミビア代表)と悲鳴にも似た意見が相次いだ。

こうした中、やり玉に挙がったのがエタノールなどのバイオ燃料だ。

トウモロコシ、サトウキビなどから作られるバイオ燃料は原料の植物が成長の過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、燃料として使用した時に出るCO2は温室効果ガスとして計算されない。このため地球温暖化対策の切り札として注目を浴び、ブラジルなどが増産、米政府も使用を奨励している。

会合ではバイオ燃料が「穀物高騰の原因の一つ」(中国代表)「(食用の)穀物生産用の農地を縮小する結果になっている」(インド代表)と批判が続出。一方、ブラジル代表は「(ブラジルの)農業生産は増加しており、エタノール生産と食糧価格高騰は関係ない」と反論、米国代表も「影響はあるが比較的小さい」と擁護するなど国により立場の違いが鮮明になった。

特別会合は当初1日の予定が2日間延長され、40カ国以上が意見表明、各国が高い危機感を持っていることが示された。

焦点の対策については、最終日に経済社会理事会のメロレ議長が各国の意見を取りまとめる形で15項目からなる提案を発表。短期的な対策としては、食糧難に陥る可能性のある国への緊急支援などのほか、先進国の農業補助金削減や輸出制限撤廃に向け、世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の早期決着を挙げた。中長期では農業への投資拡大やバイオ燃料政策の再考などが並んだ。

しかし、緊急支援などはともかく、難航しているドーハ・ラウンドの決着は「一朝一夕にできるものではない」(食糧問題専門家)のも確か。国連は今回の会合の議論も踏まえ、食糧サミットまでに作業部会がさらに具体的な行動計画案をまとめる予定だ。

(ニューヨーク共同)

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