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2008/07/03

利益重視の「エコツーリズム」、世界的な定義付けが急務

【7月1日 AFP】宝石をちりばめたような珊瑚礁の浮かぶカリブ海で、スキューバダイビングを楽しむ旅行客。ガイドブックには彼らを魅了する写真が多数掲載されているが、観光産業がもたらす環境コストについては記されていない。

タイではホテルへの道を建設するためマングローブが引き抜かれ、タンザニアでは国立公園でサファリを堪能した旅行客に温かいシャワーを提供するため貴重な水が垂れ流され、カリブ海への移動に使う飛行機は大量の二酸化炭素を排出して、観光の目玉となっている珊瑚礁の死を招く。これが「エコツーリズム」の実態だ。

エコツーリズムは観光業界のなかでも急成長分野の1つ。異文化情緒あふれる景色や希少な野生動物などに興味を示す人々は年々増える一方で、旅先の環境に与える悪影響に罪悪感を覚えてもいるようだ。

環境保護団体「レインフォレスト・アライアンス(Rainforest Alliance)」によると、年間7000万人が「エコツーリズム」の名の下、脆弱(ぜいじゃく)な生態系や文化を持つ場所を旅しているという。

また、世界最大のエコツーリズム団体「国際エコツーリズム・ソサエティ(The International Ecotourism Society、TIES)」によれば、エコツーリズムは世界中で拡大しており、1990年以降は毎年20-34%の割合で増加。また、2004年は旅行業界全体の3倍の速さで成長したという。

■多様な「エコツーリズム」

米環境保護団体「ワールドウオッチ研究所(The Worldwatch Institute)」はエコツーリズムを「環境を保護し、地元住人の生活状況を改善する、自然区域への責任ある旅行」と定義している。

「エコツーリズム」の定義は広く、個人から団体旅行まで多様な活動が含まれ、それが環境に与える利益も非常に幅がある。ただし、「持続可能なエコツーリズム」については定義がない。

エコツーリズムでは、少人数のグループが環境保護活動家を伴い、アマゾンの奥地へ入って生態系を調べたり、アフリカの原始林でチンパンジーを間近に観察したりする。南アフリカの整備された国立公園は、旅行者が支払う入場料を保護区域の管理に充てている。

■「グリーンウォッシュ」への懸念も

一方で、エコツーリズムは環境保護を考慮するふりをしながら利益をむさぼり、環境を破壊したり文化を浸食したりする「グリーンウォッシュ」になるのではないかとの懸念も浮上している。

旅行業界の搾取を監視する英団体「ツーリズムコンサーン(Tourism Concern)」は、世界中にエコツーリズムについて400以上の認定制度があり、その多くが商業目的だと非難する。「ザンビアでテント生活を送るツアーに参加したら、そこにはちゃんと陶器の便器がある。旅行業界はこういう旅行を『エコツーリズム』と呼ぶが、実際には、物珍しい観光地として売っているだけ」だという。

米環境保護団体「コンサベーション・インターナショナル(Conservation International)」も、国際的に適用されている持続可能なエコツーリズムの定義は現在なく、定義付けは「重要課題」だと指摘する。

定義策定に向け、来年にも非営利団体(NGO)、国連(UN)機関、環境保護活動家らからなる委員会が設置される予定だ。

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