« インド洋の異常現象、3年連続で発生 海洋機構が予測 | トップページ | ロシア科学者、氷山上の北極観測所から避難へ 温暖化で溶解 »

2008/07/15

オーストラリア 深刻化する干ばつ被害

◇南部の小麦農家 収穫量は3分の1に

オーストラリア南部プーチェラ(AP) 見渡す限り乾ききった大地、雲の気配さえない晴れた空――。オーストラリアの穀倉地帯が、深刻な干ばつ被害にあえいでいる。南部エア半島の農村、プーチェラの農家を訪ねた。

グレン・フィリップさん(55)は、父の代から受け継いだ小麦畑の一角にひざまずき、土を手ですくって握り締める。「こうして握った時に土が固まれば、作物が育つのに十分な水分があることが分かる」と説明するフィリップさん。だが、土はその指をすり抜けて、さらさらと落ちた。空っぽの青い空を仰いでも、雨が降る兆しは見えない。「それでも植えるしかない。ほかにどうすることもできないんだ」と、フィリップさんはため息をつく。

畑に異変が起きたのは2006年からだった。秋に降った大雨がぴたりとやんだ後、冬中一滴も降らず、作物はすっかり枯れてしまった。昨年も同じことが起きて、収穫量は豊作時の3分の1ほどに落ち込んだ。2年間の損失は50万ドル以上に達し、今年は小麦の植え付けや、家畜のえさにかかる費用さえ工面が難しいという。原油高騰の影響で燃料や肥料は値上がりし、苦境に追い討ちをかけている。

干ばつによる同様の被害が、オーストラリアの各地で起きている。同国は世界第3─4位の小麦輸出国だが、06年の輸出量は前年の約半分に減り、昨年はさらにその4分の3まで落ち込んだ。同国産小麦の1トン当たり価格は、07年初めの258ドルから、367ドルまで高騰。主な輸出先である中東、東南アジア諸国の食料難に拍車をかける結果となっている。

「良い小麦は、雨がほとんど降らない気候でも育つ。だが最近のように、まったく降らなくなってしまっては無理だ」と、フィリップさんは話す。周囲では、農業に見切りをつけて村を離れる住民が目立ち始めた。10年前は170人が通っていた地元の学校も、今は全校生徒90人。多くの店は閉まり、今や最寄りの病院も80キロ以上離れている。

「繰り返される干ばつが、この小さな村にとどめを刺そうとしている」――フィリップさんの農業を手伝う息子のダーシーさんは、そうつぶやく。村のほかの若者とともに、今年は金鉱に出稼ぎに行くことを考えているという。フィリップさんもうなずいて、こう語った。「たとえ今年の収穫が例年通りに戻ったとしても、村を出る人々の流れに歯止めはかからないし、私たちだってそこに加わるかもしれない。こんな生活は苦しすぎるよ」

☆カテゴリー「地球環境問題・温暖化」

☆持続可能な社会と金融CSR【HP版】はこちら♪

☆「環境と金融」HP開設6周年を迎えて

★いい情報に出会えたと思われた方は、Click me!人気blogランキングへ
Blog_ranking_2

|

« インド洋の異常現象、3年連続で発生 海洋機構が予測 | トップページ | ロシア科学者、氷山上の北極観測所から避難へ 温暖化で溶解 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/84872/41838492

この記事へのトラックバック一覧です: オーストラリア 深刻化する干ばつ被害:

« インド洋の異常現象、3年連続で発生 海洋機構が予測 | トップページ | ロシア科学者、氷山上の北極観測所から避難へ 温暖化で溶解 »