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2008/10/09

ブラジル商工会議所の環境セミナーでブラジル三井住友銀行・内田氏が講演

「排出権取引」を知ろう=商議所で環境セミナー=〃差別化〃が成功の秘訣

ブラジル日本商工会議所環境委員会(前田一郎委員長)は、3日午後4時から同会議所で「地球温暖化ガス削減の現状と今後の見通し」について講演会を行った。
 
講師はブラジル三井住友銀行地球環境部の内田肇部長が担当した。西林万寿夫在聖総領事、加藤秀雄領事はじめ、約30人が熱心に耳を傾けた。
 
内田部長は、先ず自分の経歴について紹介し、「これからのビジネスのネタにしてほしい」と話を始めた。
 
京都議定書とは、京都で開催された気候変動枠組第3回締約国会議(1997年)において、温室効果ガスの排出削減に関する数値目標と基本ルールを盛り込んだ法的文書。
 
同議定書において、温室効果ガスの一種である二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六フッ化硫黄(SF6)の六種の数値削減が先進国に定められている。
 
目標達成のために、柔軟処置として、市場原理を活用する京都メカニズムが導入された。それが途上国間のCDM(クリーン開発メカニズム)、先進国間のJI(共同実施)、政府間のET(国際排出権取引)の3種類。
 
これは先進国が途上国から排出権を買い上げる方法。今回の講演では国連でも認められ、一般的に使用されている排出権取引のCDM=CERについて講演した。
 
内田部長は、排出権の売買は電子取引が行えるために、「銀行でも行えるのではないか」との考えから始めたと説明。
 
CDMの仕組みは、例えば途上国の石灰火力発電所からクリーンな風力発電に変え、発電方法を変えたことにより削減量が発生したものをカーボンクレジットと呼んでいる。このカーボンクレジットを先進国が途上国から、買い上げることを排出権取引としている。
 
現在国連における承認済みのCDMプロジェクトは、1146件、排出削減予測量は約2億2057万トンCO2/年(UNFCCC資料より、2008年8月19日現在)となっており、国別では、インド(31%)、中国(22%)、ブラジル(12%)が上位を占めている。
 
一方、投資国別のプロジェクト件数では、イギリス(34%)、スイス(22%)、オランダ(11%)、日本(10%)の順番になっている。イギリス、スイスが多い理由は、「多くの投資家が排出権を買い、イギリスやスイスの銀行に置いておくことが多いから」と説明した。
 
欧州を中心とした市場では、2008年8月18日現在(ECX公開資料)、一トンあたりCO2が24ユーロで取引されている。
 
今後の見通しとして、世界中で供給不足になっていることが指摘され、「様々な排出権取引市場が創設されており、相互リンクが実施・検討されている」と講演を締めくくった。最後に、各国におけるCDMの特徴を示したグラフを提示した。
 
参加者から熱心な質問が出され、「排出権取引で成功の秘訣は」との質問に対して、「他のところと違いを出すために〃差別化〃をしていかなければならない」と強調した。
 
西林総領事は講評で「日本でも、ブラジルでもアピールしてほしい。今日は環境問題について勉強になった」とコメントした。田中信商議所会頭は「今までにない講演で、知識として非常に収穫になった」と喜び、「新しい概念の下に、哲学を持って実行されたことに感銘を受けた」と講評した。

(サンパウロ日系新聞 9/9)

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