【経済コラム】金融危機で業界男性も評価替え、価値急低下-M・リン
2月4日(ブルームバーグ):投資資産のポートフォリオはボロボロ、雇用もマドフ事業への投資と同じくらい怪しい状態。事態は既に十分に悪いのに、ガールフレンドや妻までが、もっとおいしそうなパートナーに乗り換えようとしている。
金融業界での仕事が楽しいなどと言う者はいまだかつていなかった。業務時間は長いし仕事は退屈。わけの分からない数学の問題と取り組まなければならない。仕事仲間との付き合いはと言えば、オオカミの群れとピクニックする方がまだ安心なくらいだ。
しかし、これには見返りがあった。豪勢なオフィスと目の玉が飛び出るようなボーナス。もし自分が人類の頂点にいないとしても、少なくとも他の誰よりも近いと自信が持てた。最も基本的なところで、異性に対するあなたの市場価値は高かった。外見がレオナルド・ディカプリオでなく、ダニー・デビートに近くたって関係ない。バンカー以上の「オトコ」はいなかった。だが、今は違う。
信用危機が3年目に入り、世界中の政治家がボーナスをテロ並みの違法行為にしてしまうなかで、バンカーたちは「交際相手として望ましい職業」のランキング表で自分の順位が滑り落ちていくのを感じている。
バンカーと付き合っている、または過去に付き合っていた女性たちの不満を集めたニューヨークのブログが注目を集めた。調査によれば、金融界の「富豪」たちは愛人や恋人のために使うお金を減らしているようだ。この結果、多くの女性が自身の人生について考え直す可能性がある。
使えない
バンカーたちにはお気の毒と言うしかない。大金を稼いでいる間は、異性にモテるのは簡単だった。給仕長に十分なチップを払ってしゃれたレストランで最高のテーブルを確保することもできた。(値段も)最高級のワインを同伴者ののどに流し込むこともできる。これでダメならティファニーの包みを取り出して見せればいい。
今はすべてが変わってしまった。ピザハットの2人掛けテーブルで値引きクーポン付きメニューを注文し、会社で次々人が首になっているという暗い会話をしても、異性を引き付ける効果はない。
「あるバンカーとのデート」と題したブログは、開始以来多くの人が閲覧した。真実なのか、誰かの気の利いた創作なのかは知らないが、これは時代精神に触れた。ちょっと恐ろしいほど率直な女性たちの発言は、金融業界で働くボーイフレンドたちをこき下ろす。皆の結論は1つだ。ボーナスのないバンカーは、エンジンのない車と同じくらい使えない。
ある投稿者はこうつづる。「お金を追いかけるわけじゃないけど、お金のないバンカーと付き合うのはごめんよ。冷たいようだけど、少なくとも正直でしょ」。
愛人願望
金融業界の男性が恋人たちを甘やかす支出を減らしていることは既に明らかだ。調査会社プリンス・アンド・アソシエーツのラス・プリンス社長は、2000 万ドル以上の資産を持つ男女191人を対象に調査を実施した。すると、男性の 80%以上が愛人に渡す「小遣い」を減らす計画だと回答。プレゼントを減らすという回答もほぼ同数に上った。
不景気の時代には、愛人になる動機は高まる。簡単に金を稼ぐほかの方法は日々、不安定になっていくのだから。プリンス社長は電子メールで質問に答え「男女を問わず、愛人になりたいという願望は高まるだろう」として、「現在のような不景気は、豊かな生活の魅力をさらに高める」と説明した。
そうかもしれない。しかし待てよ。愛人に与えられる「小遣い」と「プレゼント」が急減しているなら、この職への志願者も減るかもしれない。結局、バンカーと付き合うことは金銭面で、かつてに比べはるかに妙味の薄い行為となったわけだ。従って、バンカーは異性を引き付けるために機知や人間的な魅力を発揮する必要がある。しかし、これらに関するポジションが「ショート」、つまり手持ちのないバンカーもいる。
20年以上にわたり、金融は世界で最も高級な職業とされてきた。報酬は他のどの業種よりも高く、威信もあった。このステータスは多くの点から評価されたものだ。カネもその1つだが、尊敬、地位、名声なども足し算の中に入っている。攻撃的で野心的な男性が投資銀行でのキャリアに群がった理由の1つは、まるで自分が世界を動かしているような気分になれることだった。
もっとも、社会学を学んだ者はたいてい、職業選択に際し異性にモテることは他の多くの要素よりも重視される公算があると指摘するだろう。この点で、バンカーはもはや他の職業の上に君臨することはできない。金融業界の大物たちは、わすか数カ月の間に、トップの座から滑り落ちた。このことは、今回の金融危機が教科書の脚注で言及されるだけになるはるか後まで、業界と、そこに働いていた個人の人生に、深い影を落とすだろう。
(マシュー・リン)
☆持続可能な社会と金融CSR【HP版】はこちら♪
☆「環境と金融」HP開設6周年を迎えて
★新しい気づきや考えるきっかけに出会えましたか?
人気blogランキングへ

最近のコメント