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2009/03/01

アフリカ・チャド、枯れる湖を草が覆う 地球異変

これが湖なのか。はるかかなたまでアシのような植物がびっしりと埋め尽くす。水面を見ることができない。琵琶湖の40倍の広さがあった湖は意外な姿をさらしていた。

アフリカ中部のチャド湖。サハラ砂漠の南端にある。最古の猿人の化石がかつての湖畔で見つかり「人類発祥の地」という説もある湖は、この40年で水面が20分の1に減った。漁業、農業、そして住民の生活を支える豊饒(ほうじょう)の源が、縮小を続ける。今世紀中に消えてしまう運命だと、専門家の警告も出ている。

Africa_chad_lake
湖の北側にある要所ボル市。船着き場の先に、一面に広がる水草を割るように幅3メートル足らずの水路が延びる。

木製のボートに乗った。船外機は何度もうなりをあげて止まった。スクリューに水草や湖底の藻がからまるのだ。船頭が水中にさおを立て「水深、1.2メートル」と叫んだ。

途中には、高い木が茂る場所もある。乾期になると露出する湖底から生えた木だ。

2時間ほどかけて、ようやく広い湖面に出た。湖の中央付近なのに、深さは2.5メートルしかなかった。

過去2万年をみると、チャド湖は大規模な縮小と拡大を繰り返してきた。だが、門村浩・東京都立大名誉教授(環境変動論)は「20世紀後半に長く続いた干ばつの影響と、流域の人口増加や大規模な農地開発に伴う水需要の増加とがからんで、最近の縮小が加速されてきた。これは、過去に例のない現象だ」。

チャド湖に水を集める「集水域」は、湖に接するチャド、カメルーン、ニジェール、ナイジェリアの4カ国に加え、アルジェリア、リビア、スーダン、中央アフリカの一部を含む243万平方キロに及ぶ。日本の国土の6倍強の広さだ。集水域の人口は、91年に2200万人だったが、04年には3700万人に増えた。

湖の中央に浮かぶコギルム島。周辺の国々から移ってきた約2千人が住む。かつて120種もの魚がいた豊かな漁場が目当てだった。

島の集会場で住民に囲まれた。アラビア語とフランス語が飛び交うなか、1人の男性が英語で話し掛けてきた。20年前にナイジェリア北部から来たミカ・フサニ・ディオさん。直径約70センチの金だらいを見せ、「昔は1日でこれに10杯分の魚が取れた。1メートル近い大物もいた。今は10センチの魚が1杯分だけ」と嘆いた。

漁民たちは、漁網の目を次第に細かくし、幼魚まで取り尽くす。

少し離れたコロナイ島では、数百頭の牛を飼う牧畜民の集団に出会った。30キロ離れた湖畔の村から、餌場を求めて、牛たちと湖の中を渡ってきたのだ。土着種「クーリー牛」は多くの乳を出すが、生の草しか食べない。「地元の村には水も、質の良い草もなくなった」とアラジ・キンナイさん(45)は話した。

島々からの帰路、狭い水路をふさぐ船団に出くわした。清涼飲料水、トウモロコシ粉、水道管、バイク……。幅3メートル、長さ20メートルほどの木製の船には、ナイジェリアからの「輸入品」が満載だった。

船主のアダム・アリさん(48)は、4人の妻と22人の子どもを持つ富豪。14年前に始めた湖上貿易で一財産を築いた。「水が浅くなって船の速度が出ない。水草も邪魔をする。以前ならナイジェリアから1日だったのに、3日もかかる」。湖水が減って商売も難しくなっている。

(朝日 3/1)

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