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2009/11/20

生物多様性版スターンレビュー 政策立案者向けの報告書を公表

「生態系と生物多様性(TEEB)イニシアティブ」による3本目の中間報告書が公表された。今回の報告書は、政策立案者向けのもので、生態系の管理・回復に関する投資を促進し、拡大すること、さらに、政策決定の前に、十分な費用対効果分析を実施することなどを提唱している。
 
報告書で取り上げられた、タイ南部のエビの養殖場の事例では、マングローブ林を切り開いて補助金で造成された養殖場により、1ヘクタール当たり約1220ドルの収益があったものの、木材の供給や漁業、沿岸の保護等、地域コミュニティが被った損失(1ヘクタール当たり約1万2000ドル)、さらに操業後に放棄された土地を回復するコスト(1ヘクタール当たり9000ドル)は考慮されなかったという。TEEB研究プロジェクトのリーダーを務める、スクデフ氏は、自然環境が社会にもたらしている価値を認識し、評価することを、政策の重点とすべきだと強調している。
 
また、報告書では、生態系をより強く意識した経済への移行を促すため、10項目の計画を提示。政策立案者向けの勧告として、(1)生態系インフラへの投資、(2)生態系サービスに適切な支払いを行うこと、(3)環境に有害な補助金制度の改正、(4)生態系の喪失に規制やプライシングで対応すること、(5)保護地域が保護政策の要であることを認識すること、(6)森林減少・森林劣化の阻止、(7)サンゴ礁の保護、(8)漁業の改革、(9)生態系の悪化と地方の貧困の関係性を認識すること、(10)コペンハーゲン会議で森林対策について合意することを提示した。
 
なお、このプロジェクトは、欧州委員会とドイツ政府の提案で開始され、現在は国連環境計画(UNEP)が事務局を務めている。欧州委員会のディマス環境委員は、報告書を踏まえて、生物多様性の保護・回復は持続可能な経済への移行に不可欠であり、地球温暖化対策においても生物多様性は重要な役割を果たすとコメントしている。

【UNEP】【ドイツ連邦環境省】【欧州委員会環境総局】【EIC Net】

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