米医師ら、帆船で途上国へ 1年間の医療ボランティア
(CNN) 十分な医療が受けられない途上国の人々を助けようと、米国人医師の呼び掛けで集まった若者らのチームが、今月から1年間、帆船に医療機器や薬品を積んで中米と太平洋諸島を訪れる。環境にも配慮したボランティア事業として、息の長い活動が期待されている。
チームを率いるのは、カリフォルニア州出身の医師ベンジャミン・ラブロット氏(34)。医学生だった05年、ボランティアでアフリカ東部タンザニアに滞在した経験を持つ。消毒剤や鎮痛剤、ガーゼ、注射器をいっぱいに詰めて持参したリュックはすぐに空になり、後ろ髪を引かれる思いで帰国するしかなかった。「診療を待つ村人たちの列を振り返り、いつかきっと戻ってくると胸に誓った。あの時の無力感が出発点になった」という。
医師となったラブロット氏は同級生や友人らに声を掛け、非営利団体(NPO)「フローティング・ドクターズ」を設立した。メンバーは1年以上かけて準備を進め、全長23メートルの漁船を改造。風力と太陽光を主な動力源とする、環境配慮型の帆船「サザンウィンド」を完成させた。支援団体などから寄付された医療用品約9トンをこの船に積み、15カ国以上を回って予防医療や保健知識の普及に努める。乗り込むメンバー15人の中には、同氏の妹、スカイさん(27)もいる。
サザンウィンドは今月上旬にフロリダ州から出発、中旬には最初の訪問先ハイチに到着する予定。人口の約8割が貧困ライン以下で暮らす同国では、伝染病や栄養失調になっても適切な治療が受けられず、重症化する患者が多い。チームは現地に仮設テントの診療所を設け、寄生虫治療薬などを配布する計画だ。
さらに、訪問先の各地で医師や医学生の協力を得てネットワーク作りを図るほか、現地の医療体制に関する調査も実施する。「ただ何百人かの患者を治療して立ち去るだけでは、問題の解決にならない。将来にかけて、何千人、何万人の人々を救い続けることが目標だ」と、ラブロット氏は力を込めた。
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