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2011年1月

2011/01/29

金融危機「避けられた」、米調査委が最終報告

【1月28日 AFP】2008年の金融危機の原因を調査する米金融危機調査委員会(Financial Crisis Inquiry Commission、FCIC)は27日、「危機を避けることは可能だった」とする最終報告書を発表した。

米議会とバラク・オバマ(Barack Obama)大統領によって設置されたFCICは、18か月をかけ、数百万ページに及ぶ文書の確認や約700人の聴取を実施してきた。その結果「金融機関、政治家、金融規制当局、無責任な借り手のすべてに、世界の金融市場を急落させた原因がある」と結論付けた。

「あの金融危機は回避できた。危機は人間の行動と怠慢の結果であり、自然に起こったわけでも、コンピューター上の(金融)モデルが狂ったためでもない」

その上でFCICは、法律に抵触した可能性のある「複数の個人」について、捜査するよう検察に勧告した。不正行為の詳細については言及しなかった。

FCICはまた、米国は国家として危機の連帯責任を負わなければならないと指摘。「国家として、われわれは責任を引き受けねばならない。異論はあったとしても、われわれは不本意ながら、あるいは進んで、危機を生じさせるシステムと一連の政策・行為に集団的に従った」と述べた。

さらに、ウォール街と政府内で「警告を無視し、システム内で形を取りつつあったリスクに対して疑問を抱いたり理解や管理をすることを怠った者たち」を繰り返し批判し、「へまではなく、失敗だ」と非難した。

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2011/01/26

中国北部の水不足懸念広がる、北京は3か月まとまった雨なし

【1月24日 AFP】中国北部でまとまった雨の降らない状態が続いている。乾燥した気候が続く見通しのため、水不足の懸念が広がっている。国営メディアが24日、伝えた。

京華時報(Beijing Times)は、北京(Beijing)では過去3か月以上目立った降雨がなく、これほど長期にわたって雨が降らないのは40年ぶりだと伝えた。北京市気象当局によると北京市周辺に植えられた小麦の苗の9割近くが、しおれて枯れそうになっているという。

また、英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、同国東北部の山東(Shandong)省では60年ぶりの水不足になっている。飲料水不足に陥った住民は24万人に達しており、近いうちに30万人を超える恐れがあるという。一部地域では地元当局が消防車を出動させて住民に水を配給している。

専門家の間では、地球温暖化や干ばつ、人口2000万人の北京とその周辺地域の水消費量の急増などが水不足の原因だと言われている。

中国北部では水不足問題に長年悩まされており、同国中部の長江(揚子江、Yangtze River)支流から水を迂回させて水不足の北部に流す計画も始まっている。しかし、当初は2010年には北京に水が流れる予定だったが、大規模事業に伴う住民の移転問題などで2014年に延期された。

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2011/01/23

宮崎・新富町の鶏からも鳥インフルウイルス

宮崎県の高病原性鳥インフルエンザ問題で、農林水産省と同県は23日、同県新富町の養鶏場で死んだ鶏から鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。

県は、この養鶏場で飼う6万6000羽を殺処分する。近隣の7養鶏場も感染の恐れがあるとして、計46万羽の殺処分も検討している。

また、この養鶏場から半径10キロ圏を移動制限区域に指定し、鶏や卵の出荷などを禁止した。家畜の鳥インフルエンザの感染判明はこの冬3例目で、宮崎県では22日に続き2例目。

(2011年1月23日21時59分 読売新聞)

◇鳥インフル:北海道で新たに野鳥4羽強毒性

感染個体の発見場所に通じる道路に消毒用の石灰をまく浜中町職員ら=北海道浜中町で11年1月23日、山田泰雄撮影 北海道浜中町の国指定厚岸・別寒辺牛(べかんべうし)・霧多布(きりたっぷ)鳥獣保護区内で野生のオオハクチョウから強毒性の高病原性鳥インフルエンザが確認された問題で、環境省は23日、周辺で回収した4羽の野鳥から新たに同型のウイルスを検出したと発表した。同省は感染状況の確認のため、24日から同保護区内で野鳥のふんの採取を始める一方、釧路湿原や知床を含む周辺5保護区でも監視態勢を強化する。

新たに確認されたのはオオハクチョウ2羽、カモ1羽、オナガガモ1羽。22日に感染が判明したオオハクチョウが発見された近辺で今月12~21日に回収されていた15羽のうちの4羽で、簡易検査では陰性だったが、北海道大の確定検査で陽性反応が出た。5羽ともウイルスの遺伝子が完全一致しているといい、感染源は同一だった可能性が高いという。

また道は23日、1例目の感染判明を受けて発見場所から半径10キロ以内にある養鶏施設4カ所(計80羽)を立ち入り調査し、異常がなかったことを確認した。

同保護区は渡り鳥の大規模な飛来地で、毎年約1万羽のオオハクチョウが飛来する。発見場所に通じる同町の道路の入り口2カ所ではこの日、石灰散布による消毒措置が取られた。同日昼からは同省職員らが発見場所の半径10キロ以内を巡回。火散布沼でホオジロガモ1羽の死骸が浮いているのを発見したが、感染リスクの高い種ではなく、場所も水上のため回収は断念した。【毎日新聞 1/23】

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狙われる「CO2排出取引」、システムの国別管理がハッカーの標的に

【1月21日 AFP】独自の温室効果ガス排出量取引のシステムを築き上げ、気候変動対策をリードしていると自負する欧州連合(EU)――だが、国ごとに異なる「パッチワーク状」の排出権取引システムに喜んだのは、ハッカーたちだった。

■狙われた「即時決済」システム

EUの域内排出量取引制度(EU-ETS)の排出枠登録システムにハッカーが侵入し、排出枠を盗み出して市場で売却していたとして、取引が停止に追い込まれたのは19日午後(日本時間20日未明)。システムを介しては、大手多国籍企業など1万2000企業が温室効果ガスを排出する権利を売買しており、各国政府の発行する「排出枠」は温室効果ガス1トンを1単位とし、1単位=約14ユーロ(約1600円)で取引されていた。

ハッカーらは、オーストリア、チェコ、エストニア、ギリシャ、ポーランドのEU加盟5か国のシステムに侵入し、今週の5日間に2万単位分の排出枠を盗み出した。被害額はチェコ1国だけで700万ユーロ(約7億8000万円)相当に上っている。

システムに入るのに必要なのはパスコードだけ。EU-ETSでは取引の8割が長期的な年間排出枠取引だが、予想を超えて排出枠を購入する必要に迫られた企業などのため、即時決済取引(スポット取引)もできる仕組みになっている。

欧州委員会(European Commission)によると、侵入したハッカーたちはシステム上に口座を開設し、盗んだ排出枠を売却後ただちに口座を閉鎖していた。捜査当局は、内部協力者の有無や関与した企業、サーバーなどを調べている。

■課題は「パッチワーク状」のセキュリティー

今回のハッカー騒ぎをめぐり、EU加盟27か国の専門家らは21日、ベルギーのブリュッセル(Brussels)で会合を開き対策を協議する。

EU当局にとってEU-ETSのシステムのぜい弱性は頭の痛い問題だ。EUとしてはシステムを一元管理したいのだが、現在は加盟各国が独自にシステムを管理しており、最低限の域内セキュリティー基準にも合意できていない。

停止したシステムの再開は1月26日を予定しているもの、ある当局高官が明かしたところによれば「(再開対象は)セキュリティー強化対策を取った国だけになる」。対策が必要な国は14か国に上るという。欧州委のコニー・ヘデゴー(Connie Hedegaard)気候変動担当委員の報道官は、「今回の一連の問題によって(各国のセキュリティー強化の)プロセスが加速することを望んでいる」とコメントした。

盗み出された排出枠は、世界の排出量の中ではほんのわずかでしかない。だが、EU-ETSはこれまでにも、たびたびセキュリティー上の問題に直面してきた。前年には、パスワードを教えるようにだます「フィッシング詐欺」の電子メールが利用者に送付されて大混乱となり、スペイン含む13か国でシステムが一時停止している。

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2011/01/19

「6か月は母乳のみ」がよいとは限らない?英研究

【1月17日 AFP】生後6か月まで母乳のみで育てることを推奨する世界保健機関(WHO)のガイドラインは、赤ちゃんの健康にとって必ずしも最良の方策ではないとする研究結果を、英国の科学者らが14日、発表した。

英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London、UCL)の小児科医が主導する研究チームによると、母乳のみを与えられた赤ちゃんは鉄分不足に陥り、アレルギー症状を引き起こしやすくなる危険性があるという。論文は、生後4か月ごろから離乳させて固形物を食べさせても良い場合があるとしている。

■生後6か月まで母乳だけ=WHO基準

WHOは10年前、生後6か月まで赤ちゃんに母乳だけを与えるべきとのガイドラインを設けた。このガイドラインは、開発途上国での研究7件を含む16件の研究に「大いに依拠した」もので、WHOは生後6か月間母乳だけを与えた赤ちゃんは、感染症にかかることが少なく、成長障害も無かったと結論づけている。

しかし、研究チームは「欧州の65%の国や米国など多くの西洋諸国で、このガイドラインの一部または全部を採用しないことが選択されている」と指摘する。

また、WHOとは別の研究33件を分析した結果、生後4~6か月の間に固形物を食べさせないための「説得力のある証拠は全く無かった」という。また、生後6か月まで母乳を与えた結果、赤ちゃんが十分な栄養を得ることができなかったとする研究結果もあるという。

さらに、2007年の米研究では、生後6か月まで母乳だけを与えた赤ちゃんは、4~6か月に固形物を与え始めた赤ちゃんと比べて貧血になりやすいとの結果が出ている。

また、アレルギー関連では、グルテン摂取開始時期のガイドラインを生後6か月に遅らせて以降、早発型のセリアリック病の発症事例数が増加し、推奨時期を4か月に戻したところ元の水準に回復したと、スウェーデンの研究者らが発表しているという。

■健康と味覚発達に4か月から固形物=英研究チーム

研究チームは、死因に感染症の多い開発途上国では依然として生後6か月まで母乳のみを与えることが推奨されるとした上で、先進国では健康状態を阻害する可能性があるだけでなく「新たな味覚を受け入れる可能性を制限する」ことにもなると指摘している。

「特に苦味については、緑色野菜などを受け入れる上で重要な可能性がある。これは将来の食事の好みに影響を及ぼす可能性があり、肥満などの健康状態に影響することもありうる」

欧州食品安全機関(European Food Safety Authority、EFSA)の食料品・栄養・アレルギー委員会は、欧州連合(EU)全域で、生後4~6か月の間に補助食品を食べ始めることが安全である可能性は高いとの結論を出している。

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2011/01/18

喫煙後数分で遺伝子損傷の危険、米研究

【1月17日 AFP】たばこをわずか数回ふかすことで、数分以内にがんに関連する遺伝子損傷が起きる危険性があるとの研究結果が、15日の米国化学会(American Chemical Society)の学術誌「Chemical Research in Toxicology(毒物学の化学研究)」に掲載された。

研究を発表したのはスティーブン・ヘクト(Stephen Hecht)氏ら米科学者の研究チーム。米国立がん研究所(US National Cancer Institute)が資金提供した。たばこに含まれる物質がヒトのDNAに及ぼす効果を追跡した研究としては初めて。

研究チームは、喫煙者12人を対象に血流に含まれる、毒性のある多環芳香族炭化水素(PAHs)の1つ、フェナントレンの量を調べた。

PAHsは石炭を燃料にする工場や食品のこげなどで見つかる物質で、フェナントレンはそのうちのたばこの煙に含まれている。フェナントレンは「DNAに損傷を及ぼし、突然変異を発生させ、がんを発症させる危険性」がある。

報告書によると、調査では「研究者らも驚く結果が出た」という。たばこの効果は「とても速く、血流に(有害)物質を直接注入するのと同程度」で、血流内のフェナントレン量は喫煙を終えてからわずか15~30分で最高値に達した。

この結果について、報告書は「この結果が驚くべきものなのは、フェナントレンがDNAにただちに反応を及ぼして突然変異を誘発する物質で、たばこの煙に含まれる複数のPAHのうちの最大の発がん物質だとみられている」ことにあると説明した。

また、ヘクト氏は、この研究について、栄養不良や汚染などのほかの有害因子の影響を受けずに、たばこの煙を吸うことの効果を分析した点が意義深いと説明し、「これから喫煙を始めようという人にとって、厳しい警告を発する結果になったといえる」と述べた。

世界で肺がんで死亡する人の数は、1日あたり約3000人。そのうち、喫煙に関連性のある死亡は90%に上る。

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☆カテゴリー「医学・医療・健康・病気」

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2011/01/08

ドイツで4700農場を閉鎖、ダイオキシン汚染問題で

【1月8日 AFP】ドイツで家畜飼料から人体に有害なダイオキシンが検出された問題で、当局は7日、4700か所以上の農場を閉鎖し、汚染された疑いのある卵10万個を処分したと発表した。

ダイオキシンは大量に摂取するとがんを発症させるおそれのある有害物質。ドイツ食料・農業・消費者保護省の報道官は定例会見で、「現在、農場施設と企業など4709か所が閉鎖している」と述べた。そのうち4468か所は同国北西部ニーダーザクセン(Lower Saxony)州に集中している。

ドイツには37万5000か所の農場があるが、閉鎖は養豚場を中心にドイツ全16州中8州に広がっている。農場はダイオキシンに汚染されていないことがわかるまで閉鎖が続く。

ドイツ北部シュレスウィヒ・ホルシュタイン(Schleswig-Holstein)州のHarles und Jentzsch社が、ダイオキシンに汚染された工業用脂肪酸最大3000トンをドイツ国内5州の家畜飼料メーカー約25社に供給したことが原因とみられている。この工業用脂肪酸のうち2500トンは前年11~12月にニーダーザクセン州の家畜飼料メーカーに供給され、飼料に使われていた。

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2011/01/06

インドを襲うマイクロファイナンスの悲劇、借金苦で貧困層の自殺多発

12月29日(ブルームバーグ):10月28日の昼すぎ。インド南部のモンドライ村の自宅の庭でくつろいでいたタンダ・スリニバスさんは、助けを求める叫び声を聞いた。妻のショバさんが全身を火に包まれてドアから飛び出してきたのだ。

2人の息子の母でもあるショバさん(30)は、2リットルの灯油をかぶって焼身自殺を図った。救急車を呼んだ医師によると、夫婦は多重債務の返済をめぐって前日に激しく口論。債務には村人に小口融資をしてきたマイクロファイナンス業者からの借金も含まれていたという。

ショバさんは女性債務者の複数のグループのまとめ役で、自身のローン1万2000ルピー(約2万2000円)の利払いを迫られていたほか、2週間前に導入された州のマイクロファイナンス活動規制にもかかわらず、他の女性の借金の肩代わりも要求されていたという。「ブルームバーグ・マーケッツ」誌2月号が報じた。

スリニバスさん(35)は毛布で火を消そうとしたが自分のポリエステルの衣服に火が燃え移り、3日以内に夫妻は2人の息子を残して死亡した。10歳と13歳の息子は今、70歳で病気の祖父と目の不自由な祖母に農村で育てられている。村の男性の多くはアルコール飲料用のヤシのエキス集めで生計を立てており、2人の孫を終日世話できる親族は誰もいないと60歳の祖母は号泣した。

マイクロファイナンスの中心地

ワランガル市から80キロメートル離れたモンドライ村の悲劇は、アンドラプラデシュ州内で数多く繰り返されている。インドの9月末時点のマイクロファイナンス残高53億ドル(約4400億円)の約3分の1は同州で実行された。

警察の報告や報道を基にマイクロファイナンス関連の死亡データを集計している政府機関によると、同州では3月1日から11月19日までに借金などを苦に70人余りが自殺を図った。こうした状況を受けて同州政府は10月15日、マイクロファイナンスの債権回収業者が返済に苦しむ借り手の自宅を訪問して取り立てることを禁止するなどの規制に乗り出した。

インド政府が貧困から抜け出せないでいる人々に十分な教育や医療、仕事を提供できていない中で、貧困層の生計を助けるはずの小口融資を提供するマイクロファイナンスが皮肉な展開を見せている。

皮肉な展開

マイクロファイナンスで融資するのは「麻薬販売に似ている」と話すのはインドの格付け会社マイクロ・クレジット・レーティングス・インターナショナルのマルコム・ハーパー会長(75)だ。マイクロファイナンスなどのテーマで20余りの著作のある同会長は「アンドラプラデシュ州の読み書きのできない女性たちに融資する業者はもっと責任を持つべきだ」と言う。

業者が女性たちをどう説得して借金させたかを調査しているカカティア大学のK.ベンカト・ナラヤナ教授(経済学)は、「マイクロファイナンスは女性の力を高めるはずだったが、業者が社会や経済の進展を逆行させ、融資を受けた女性を結局奴隷のようにしてしまった」と指摘する。

インドで急拡大するマイクロファイナンス・ビジネスは世界的な現象の一部にすぎない。慈善事業として元来始まったマイクロファイナンスはここにきて成長や高リターンを求める民間資本を引き付けている。

メキシコの元非営利団体(NPO)で現在は貧しい労働者向け融資で最大の銀行であるコンパルタモス銀行は2007年に約4億6700万ドル規模の新規株式公開(IPO)を実施した。今年8月にはインドのマイクロファインナンス最大手SKSマイクロファイナンスが163億ルピー規模のIPOを行っており、著名投資家ジョージ・ソロス氏のファンドもSKSに出資するなど、同業界への関心は高まっている。

誤った方向

アンドラプラデシュ州の事態はマイクロファイナンス事業の先駆者で06年にノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行創業者のムハマド・ユヌス氏(70)のビジョンとはかけ離れている。

元経済学教授のユヌス氏はバングラデシュで銀行融資を受けられない貧しい人々に小口の事業資金を貸し付ける事業を1976年に開始。それ以来、98億7000万ドルを融資して87億6000万ドルを回収した。833万人の借り手のうち女性は97%を占めるという。

ユヌス氏はマイクロファイナンスで利益を上げることに反対しないとしながらも、貧困層の支援という本来の目的からそれて大もうけを狙う業者を厳しく非難している。バングラデシュの首都ダッカから電話インタビューに応じたユヌス氏は「商業化は誤った道だ」と述べ、融資金利の目安は資金調達コストに10%上乗せした水準だろうと語った。

曲解

インドのマイクロファイナンス業者は銀行から平均で13%以上の金利で資金を調達し、貧困層に貸し付けているが、業界団体マイクロファイナンス・インスティテューションズ・ネットワークのアロク・プラサドCEOによると、融資金利は36%まで上がることもあるという。

一方、ユヌス氏によると、バングラデシュのグラミン銀行の金利は教育ローンで5%、住宅ローンで8%。物乞いには無利子で貸し付けており、主な融資金利は20%が上限だという。

ユヌス氏は「マイクロファイナンスが乱用され曲解されている」と述べ、「これは私が作り出したマイクロクレジットとは違う」と嘆いた。

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