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2011/04/19

イタリア最後の「原子炉の町」、太陽光発電に未来賭ける-原発に反対

4月18日(ブルームバーグ):イタリア中部にある市、モンタルト・ディ・カストロは、約20年間にわたって原子力発電所の建設が禁止されていた同国で最後にプラントが建設された場所だ。同市は現在、原子力発電の再開に反対し欧州最大規模の太陽光発電施設に未来を賭けている。

サルバトーレ・カライ市長は市役所の市長室でインタビューに応じ「われわれにはもっと良いアイデアがある。太陽光発電で電力を自給し続けることができる。2009年12月以降、1キロワットたりとも『汚れたエネルギー』は利用していない」と語る。

イタリアは主要8カ国(G8)の中で唯一、原子力発電所を持っていないが、08年に原子力発電を再開する法律が成立し20年までに原子炉を新設する計画だった。同国政府は福島第一原子力発電所の事故を受け、建設を1年間凍結する方針を示した。

イタリア国内で原子力発電の再開の是非について議論が高まる中、モンタルトの市長は抗議行動を組織し、新プラント建設停止に向けた国民投票を支持する姿勢を示している。原子力発電所の建設は農業や観光業に打撃を与える可能性があると主張する。

カライ市長は「放射性物質漏出への恐怖から人々が土地を捨てることになるという懸念がある。どのような賠償もそれを埋め合わせることはできない」と指摘する。

営業運転されることのなかったモンタルト原子炉は、チェルノブイリ事故をきっかけに原子力発電終了を決定した1987年の国民投票を受け、解体された。空洞の建屋は現在、イタリアの電力最大手、エネルが運営する熱電プラントの隣に立っている。

モンタルトの住民たちは、凍結措置が解除されれば、自分たちの市が発電所新設の最有力候補地になるのではないかと懸念している。

理想的な立地条件

モンタルトの原子力発電反対委員会の広報担当者、ステファノ・セバスティアニ氏は「この土地はリストのトップだ。原子力は圧力鍋のようなもので、遅かれ早かれ水蒸気が出てきて人々は犠牲を払うことになる」と指摘。福島原発の事故をきっかけに住民の間で安全性の問題に関する意識が高まり、新プラントの見通しに関して神経質な見方が強まっていると語る。

モンタルトの人口は約9000人。ラツィオ州中部にあり海と丘隆地に挟まれたこの市は、プラント建設が始まれば理想的な立地条件だと専門家らは口をそろえる。

欧州の太陽光発電会社サンレイ・リニューアブル・エナジーの地域マネジャー、ラファエロ・ジャチェッティ氏によると、モンタルト市は既に動き出している。同社はこの市にある出力4万5000キロワットの主要太陽光発電施設の開発・操業を手掛けている。電力は1万5000世帯に供給可能で、欧州最大規模だ。

ジャチェッティ氏は「この地域のモンタルトなどの自治体は太陽光発電施設から経済的恩恵を受けているだけではないことを分かっている。原子力の代替となるエネルギーを生み出している」と話す。カライ市長によると、同市の太陽光発電施設の供給能力は現在、計8万5000キロワットだが、年末までに12万キロワットに増える見通しだ。

福島原発事故をきっかけに原子力発電に反対する見方が高まったことにより、太陽光発電の需要が支援される可能性がある。今回の事故をきっかけに世界各国の政府が原子力政策を見直す中、ワイルダーヒル・ニューエナジー指数は事故が発生した3月11日以降、約8%上昇している。

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