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2011/06/07

現在のCO2排出ペース、「温暖化極大期」の10倍

【6月6日 AFP】現在、地球の大気に二酸化炭素(CO2)が放出されるペースは、5600万年前に地球の気温が5度以上上昇した「温暖化極大期」と比べて10倍に達しているとの米大学などの研究が、5日の英科学誌「ネイチャージオサイエンス(Nature Geoscience)」に発表された。

5600万年前に地球が突然温暖化した暁新世・始新世境界温暖化極大期(Paleocene-Eocene Thermal Maximum、PETM)は、少なくとも1万年続き、最新の研究では2万年ほど続いた可能性が高いとされている。これは地質学的には短いが、動植物にとっては適応が必要となる長い期間で、深海生物など絶滅する種も相次いだ。

「PETMより10倍近いペースでCO2を大気に放出しているということは、気候システム(気候系)がより激しい擾乱(じょうらん)に適応しなければならないことを意味する」と、論文を共同執筆した米ペンシルベニア州立大学(University of Pennsylvania)のリー・カンプ(Lee Kump)教授は懸念を示している。

■千年単位の気候変動が百年単位で進む現在

カンプ教授らの研究チームは、ノルウェー領スピッツベルゲン(Spitsbergen)島付近の厚さ150メートルに及ぶPETMの地層を分析した。その結果、2万年間の温暖化期に放出されたCO2量は年平均値で17億トン未満で、従来の予想よりも少ないことが分かった。

これに対し、現代の化石燃料使用によるCO2排出量は、年間80億トンに上っている。

カンプ教授は電子メールでの取材に、「生物は変化の絶対量にも影響を受けやすいが、変化率にも影響を受けやすい。化石燃料の燃焼によって、世界規模の自然生態系が地球史上かつてないような形で損なわれている恐れがある」と答えた。

国連(UN)の科学者らは、CO2排出が大幅に削減されなければ、地球の平均気温は2100年までに4~5度上昇しかねないと指摘している。つまり、PETMのときに千年単位で起きた気温上昇が、百年単位で急激に起こるというのだ。

「PETMを気候変動における『圧迫』と見なし、恐竜を絶滅させた1000万年前の隕石衝突を『一撃』と呼ぶとしたら、現在われわれが直面している状況は圧迫というよりも一撃に近いだろう」と、カンプ氏は警告した。

この研究について、英国地質学会のブライアン・ラベル(Bryan Lovell)会長(英ケンブリッジ大教授)は、PETMでCO2の大規模放出が起きてから、地球が放出以前に近い環境に戻るまでには、10万~20万年の歳月がかかったと指摘している。

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