カテゴリー「人類・人間・生物・自然」の88件の記事

2011/05/21

人類は地球を「造り変えた」か? 新たな時代区分「アントロポセン」

【5月20日 AFP】たとえば1000万年後、宇宙人の地質学者が地球にやってくるとしよう。そのとき彼らは、地層の中に人類の痕跡を見つけられるだろうか。ジュラ紀や白亜紀が「恐竜の時代」と呼ばれるように、「ホモサピエンスの時代」と称される地質学的な時代区分は生まれるのだろうか?

この問いにイエスと答える科学者は増えている。英ロンドン(London)の英国地質学会(British Geological Society、BGS)ではこのほど、こうした科学者たちが集まってシンポジウムが開催された。

■人類の時代――「アントロポセン」

この「人類の時代」に対して、オゾンホール研究で1995年にノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェン(Paul Crutzen)氏は、「アントロポセン(Anthropocene)」という新たな造語を提唱している。

人類の繁栄がどれほど長く続くのかは分からない。しかしクルッツェン氏は、1つだけはっきりしている事実として、単一の生物種が地上の形態や化学物質の分布、生物学的な環境を急激に変え、しかもその事実を自覚しているという事態は、約47億年の地球の歴史の中でも過去に例がないと指摘する。

「我々はそれ(地球)を破壊し、買い、所有している」と、米メリーランド大学(University of Maryland)のアール・エリス(Erle Ellis)教授は表現した。「『アントロポセン』において何が起きているのか、知るすべはない。よい時代となるかもしれない。ただ、この星の所有権を主張するのであれば、我々はこれまでとは違う、グローバルな考え方をする必要がある」

1億5000万年以上にわたって繁栄した恐竜が絶滅した理由として有力な説に、巨大ないん石の衝突で地球の気温が低下し、生存できなくなったというものがある。気象学者が警告するようにこの先100年以内に気温が5~6度上昇するとしたら、人類も同じ運命をたどるかもしれない。

ただ、現生人類の歴史はたった20万年ほどにすぎない。その上、ただ滅びるのを待つしかなかった恐竜と異なり、「地球のシステムがおかしくなる」ような危機的状況を招いたのは、ほかならぬ人類自身なのだ。

■比類なき時代を生きる人類

クルッツェン氏が「アントロポセン」を提唱して10年、幅広い分野の科学者たちがこの新語に飛びついた。そして、激しい議論が巻き起こった。「人類の時代」を区分することが地質学的に有意義かどうか。そして、人類が地球に及ぼした分不相応な影響が望ましくない、恐らく制御不能な結果をもたらす可能性と、そうなった場合にどのように対処すべきかを、人々は深く考えざるを得なくなったのだ。

「アントロポセン」を過去36億年の地球の歴史を分ける国際層序委員会(International Commission on Stratigraphy、ICS)の約150の時代区分の1つに加えるかどうかは、英レスター大学(University of Leicester )のヤン・ザラシェヴィチ(Jan Zalasiewicz)教授をトップとする地質学者のグループの勧告にかかっている。決定にあたっては、「社会への影響を考慮しなければならない」と、ブライアン・ラベル(Bryan Lovell)英国地質学会長(英ケンブリッジ大教授)は言う。

人類の手によって短期間に起きた変化の痕跡は、地質学的にも非常に大きい。化石燃料を燃やすことで大気の化学組成が変わり、二酸化炭素(CO2)濃度は少なくとも過去80万年、もしかしたら過去300万年ぶりの高水準となった。その結果とみられる温暖化によって、氷雪の融解や海水の酸性化など、地球規模の変化が起きている。グローバル化に伴い、船や航空機などを介して生物種が他地域へ移動し、「大規模な均一化」も起きている。

地表の形状も大きく変わった。米コロラド大学(University of Colorado)のジェームズ・シビツキ(James Syvitski)教授は、過去200年間にわたる産業採掘、ダム建設、森林伐採、農業によって「人間は地球上に彫刻をしてきたようなもの」と語る。特に、19世紀半ばから建設されてきた多数のダムは「地球の水の移動を完全に変えてしまった」という。
 
これらの変化を、現代が含まれる「完新世」と比較して初めて、「アントロポセン」を時代区分とするか否かの評価が可能になる。

■区分することで環境意識も高まる?

アントロポセンがいつから始まったのかという問題もある。農業が始まった約8000年前という意見もあるが、蒸気機関が発明され、化石燃料の利用によって人口爆発、大量消費が生まれた19世紀からとする意見が大勢を占めている。

1950年代からは、人口、ダム建設、水や肥料・紙の消費、観光や自動車など、主要な「指標」が右肩上がりに伸びた。温室効果ガスの濃度も急上昇し、オゾン層の破壊、大規模な洪水、漁業資源の枯渇、森林破壊、生物種の絶滅なども一気に進んだ。これらの変化は主に、世界人口のわずか2割に相当する先進国によって引き起こされたものだ。

クルッツェン氏は、これらの変化に「アントロポセン」という名称を与えることによって、今後人類を待ち受ける困難に人々の注目を集める効果が期待できると主張している。ロンドンのシンポジウムで同氏は、次のように語った。「科学的思考のパラダイムシフトになり得る。とはいえ、正式に受け入れられるには、あと20年はかかるだろう」

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最古のほ乳類は嗅覚が発達していた、米研究

【5月20日 AFP】これまでに知られている中で最古のほ乳類2種の頭骨をCTスキャンしてみたところ、脳は大きく、嗅覚(きゅうかく)をつかさどる部位がよく発達していたとする研究成果が、19日の米科学誌サイエンス(Science)に発表された。

米テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)などの研究チームは、中国のジュラ紀の化石層で発掘されたトガリネズミに似た2種に着目した。約1億9000万年前に生息していた「モルガヌコドン(Morganuocodon)」と「ハドロコディウム(Hadrocodium)」だ。

CTスキャンを使って頭骨の内部を再現してみると、鼻腔とこれに関連する部位、においを分析する脳の部位がいずれも大きいことが分かった。鋭い嗅覚を持っていたことを示している。

また、2種とも、道を探したり敵を避ける時に毛皮をセンサー代わりに使っていたとみられる。

以上のことから、研究チームは、ほ乳類の脳は3段階で進化したと考えている。まず嗅覚が発達し、次に体毛の触覚が発達し、最後に「筋肉を上手に動かすための」脳の協調が発達したというのだ。 

化石をCTスキャンで分析するこのプロジェクトは、過去10年間で初期のほ乳類化石十数種と現生種200種以上を対象にした。画像は以下のサイトで見ることができる。 

【参考】プロジェクトのサイト(英語)

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2011/05/07

日本語の起源は朝鮮半島にあり?方言の共通祖先を発見、東大

【5月5日 AFP】日本語の方言の多くは約2200年前に朝鮮半島から移住してきた農民たちに由来することが、進化遺伝学の観点から明らかになったとする論文が、4日の学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」に発表された。

日本語は、世界の主要言語の中では唯一、起源をめぐって現在も激しい議論が戦わされている。

主要な説は2つある。1つ目は、定住が始まった3万年~1万2000年前の石器時代文化に直接由来しているというもの。この時代は原始的な農業も一部で行われていたが、主に狩猟採集生活が営まれていた。アジア大陸からは紀元前200年ごろに人の流入があり、金属製の道具やコメ、農業技術がもたらされたが、言語発達にはほとんど影響を及ぼさなかったというのがこの説の主張だ。

もう1つの説は、紀元前200年ごろの朝鮮半島からの人の大量流入が日本の先住文化に非常に大きな影響を及ぼしたとするもので、先住民が大規模な移住を余儀なくされ、彼らの話していた言語もほとんどが置き換えられたと考える。最近の考古学上およびDNAの証拠は、いずれもこちらの説が有力であることを示している。

■方言の共通祖先の年代は?

さらなる証拠を求めて、東京大学(University of Tokyo)の長谷川寿一(Toshikazu Hasegawa)教授とリー・ショーン(Sean Lee)氏は、数十の方言の年代をさかのぼり、共通祖先を見つけようと試みた。

この手法はもともと進化生物学において、化石から採取したDNA断片から系統樹を作成し、数百万年前の祖先までさかのぼる目的で開発されたもの。リー氏によると、言語に適用することには異論もあるが、これまでの実験結果などから、言語には遺伝子のような特性があり、代々の継承を通じて進化することが推定されるという。

2人は、体の部位、基本動詞、数字、代名詞などの主な210単語について、59方言でリストを作成。数千世代にわたり改変されていない、いわゆる「高度保存遺伝子」を見つけ出すのと同じ要領で、他の方言に影響されていない「変化耐性」を持つと思われる単語を選び出し、コンピューターでモデル化した。

すると、これらの単語はすべて約2182年前の共通祖先に行き当たった。この年代は、朝鮮半島から大量の渡来人が来た時代に当たる。

リー氏は、農民の流入が始まった時期はこの時期より少し前の可能性があると指摘しつつ、「日本に流入した最初の農民たちが、日本人と日本語の起源に深い影響を及ぼした」と結論付けている。

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2011/03/19

ヒトとチンパンジーの体の違いは「調節DNA」の欠落に起因、米研究

【3月18日 AFP】ペニスはごわごわした感覚毛で覆われていない。脳はぱんぱんに膨らんでいる――。ほ乳類ではヒトにしか見られないようなこうした特徴は、新たな遺伝子の出現というよりは進化の過程で遺伝物質が失われたことに起因しているという研究成果が、10日発表された。

ホモ・サピエンス(現生人類)を進化的に近い大型類人猿と隔てるものは何なのだろうか。特にチンパンジーのDNAは、ヒトのDNAと97%も重複している。

その研究において、これまでは、ヒト特有の遺伝子が生み出された仕組みよりは遺伝子そのものを見つけることに主眼が置かれてきた。だが今回の新発見は、新たな方法論を提示するものだという。

米スタンフォード大医学部(Stanford University School of Medicine)のギル・ベジェラノ(Gill Bejerano)准教授の研究チームは、チンパンジーとその数百万年前にさかのぼる祖先に深く根付いた500以上のDNA群が、ヒトゲノムには全く存在しないことを見いだした。一方、ヒトの直近の祖先とされるネアンデルタール(Neanderthal)人には一部が存在していた。このことは、ネアンデルタール人が少なくとも50万年前までにはヒトの祖先に至る枝から分岐していたことを意味するという。

■「調節DNA」の欠落がもたした体の構造変化

調節DNAが制御する遺伝子ではなく、調節DNAそのものが少しでも欠落すると、生体構造にそれに応じた変化が起こる。行動面の変化はごくわずかと考えられる。

だがベジェラノ氏は、調節DNAの欠落は新たな特徴、あるいは新たな種の出現に帰結する可能性があると指摘する。

したがって研究は、ヒトにおける調節DNAの欠落とそれに関連した特定の構造変化をリストアップし、主に2つの分野の変容について説明を試みた。
 
1つ目の変容は、脳細胞がテストステロンなどステロイドホルモンの存在を通知する方法に影響を及ぼし、ヒト特有のペニスをもたらした。

大型類人猿などのほ乳類のオスにはたいてい、ペニスの感覚毛などの成長をつかさどる性ホルモンを促進するDNAがあるが、ヒトにはこれがない。そのためヒトは感覚毛を持てず、触覚感度が鈍ってしまったが、その「見返り」として性交の持続時間が伸びた。

2つ目の変容は、ヒトの脳の発達に影響をもたらした。チンパンジーや初期の霊長類に見られるDNAが欠落したことは、腫瘍(しゅよう)などの神経の発達を阻止する遺伝子を活性化させ、こうした「抑制」が脳の発達を促進してヒト特有の脳構造をもたらしたと考えられるという。

このような変化が、1対1の恋愛感情や、ヒトの比較的無防備な幼児を育て上げる上で必要とされる複雑な社会構造を生み出さす原動力になった可能性があると、研究チームは指摘している。

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2011/02/14

16歳以下はお断り、ロンドンで「動物のセックス」展

【2月11日 AFP】バレンタインデーを前に、ロンドン(London)の自然史博物館(Natural History Museum)が、大胆な特別展を企画した。11日から始まる動物のセックスをテーマとした「Sexual Nature」展だ。同展では、カタツムリの「恋矢」、ペニスを切断して雌の体内に残すカイダコ(アオイガイ)、並外れて大きい睾丸を持つチンパンジーなど、自然界の生きものが子孫を残すための様々な生殖行動を取り上げる。

同博物館の学芸員、テート・グリーンハル(Tate Greenhalgh)氏は、生き残りと繁殖をかけた動物や生物たち必死の「性行為」と「進化」の関係が同展のテーマだと説明。人間社会ならば禁断とされる性行為など衝撃的な内容の展示も含まれているが、寛容な心で鑑賞してほしいと語った。

来場者が最初に目にするのは、人間に最も近い種の1つ、ボノボ(ピグミーチンパンジー)の交尾シーンを写したビデオ映像だ。なかには、背中に赤ちゃんを乗せたり、パイナップルを食べながら行為におよぶボノボも見られる。

さらに、イタリア人女優イザベラ・ロッセリーニ(Isabella Rossellini)が動物の仮装で交尾の儀式をユーモラスに再現する「グリーン・ポルノ」と称した映像もある。

異性の気を引くための求愛行動や交尾相手の選別行為、交尾をめぐる雄と雌間の争いなど、展示内容は17歳以上を想定したものだ。

さらには、ウサギやキツネの交尾を再現した剥製や、巨大なセイウチのものから髪の毛ほどのコウモリのものまで、様々な動物の陰茎骨も展示されている。

また、多くの雌たちを周囲にはべらせた霊長類の雄の例として、戦後のロンドン動物園(London Zoo)で人気者だったゴリラのガイが、剥製として展示されている。

その一方で、もっとロマンに満ちた人間の男女間の愛情を展示したコーナーもある。異性への愛を表現した詩を貼り付けるボードだ。これも、異性の愛を勝ち取るための求愛行動の一種ともいえる。

グリーンハル氏は、「同展を機会に、私たちが生き残っていくために不可欠な生殖行為を再度、見つめなおしてほしい」と話している。

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2011/02/03

アマゾン先住民の新たな写真を公開、保護への関心高める狙い

【2月2日 AFP】1月31日、アマゾンの先住民の新たな写真が公開された。アマゾンの先住民問題に関心を集めようと、ブラジル政府が公開を許可したもの。

ブラジル国立先住民保護財団(FUNAI)が、ペルーとの国境付近の先住民が暮らす熱帯雨林の上空から撮影した写真には、顔を朱色に塗り、やりや弓矢を手にした先住民が上空を見上げる様子が映っている。脇には食用のパパイヤやマニオク(キャッサバの塊根)が山積みとなった籠が置かれているのも見える。

撮影飛行には英国の先住民支援団体サバイバル・インターナショナル(Survival International)も同行した。同団体のスティーブン・コリー(Stephen Corry)代表は、「不法伐採者らが先住民を破滅に追いやっている。手遅れになる前にペルー政府による保護が不可欠だ」と強調した。

ブラジル国立先住民保護財団は以前にも同様の写真を公開し、ペルーの森林伐採者によって一部の先住民がブラジル側の熱帯雨林に追いやられているとしていた。

ブラジルのアマゾン先住民の組織「COIAB」のマルコス・アプリナ(Marcos Apurina)氏は、「彼らは、基本的人権のなかでももっとも重要な生存権が無視されている。われわれが保護しなければならない」と語り、公開された写真によって先住民が置かれた苦境への関心が高まり、先住民の保護が進むことを期待すると述べた。

ブラジル国立先住民保護財団によると、ブラジルには継続的な外界との接触がない先住民が67部族存在する。なかには、限定的に外界と接触するものもあるが、こうした先住民は「非接触先住民族」と呼ばれる。

ブラジルで直近に実施された国政調査では約1億9000万のブラジル全人口のうち先住民は50万人余りだったが、なんらかの形で先住民を祖先に持つブラジル人は数百万人に上る。

南北アメリカ大陸の先住民のほとんどは1万3000年から1万7000年前にアジア大陸からシベリアを経由してアメリカ大陸に渡ってきたアジア人の子孫だ。この例外として有名なのは太平洋に浮かぶチリ領のイースター島(Easter Island)で、この島の先住民は太平洋のポリネシアから移り住んだ人々とされている。

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2011/02/01

オランウータンのゲノムを初解読、予想以上の「多様性」 ネイチャー誌

【1月30日 AFP】絶滅が危惧されているオランウータンのゲノム(全遺伝情報)を初めて解読したとする論文が、27日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。遺伝的な多様性が予想よりはるかに大きく、このことが種の存続に有利にはたらく可能性があるという。

米ワシントン大(Washington University)などの国際研究チームは、スマトラ(Sumatra)島に住むメスのオランウータン「スージー(Susie)」のゲノム配列の全解読を行った。

その結果、オランウータンのゲノムは、ヒトやヒトに最も近いチンパンジーとは異なり、過去1500万年の間にほとんど変化していないことがわかった。すべての類人猿は1400万~1600万年前に共通祖先から分かれたと考えられていることから、オランウータンは遺伝的にはこの共通祖先に極めて近いと考えられる。

また、オランウータンのゲノムの遺伝的多様性はヒトよりも大きかった。ちなみに、ヒトとチンパンジーのゲノムは99%共通しているが、ヒトとオランウータンでは約97%が共通していることが確認された。

■スマトラ島のオランウータンの方が遺伝的に多様

オランウータンはかつて東南アジアに広く分布していたが、現在はインドネシアのボルネオ(Borneo)島とスマトラ島だけに生息している。ボルネオ島の個体数は4万~5万頭、スマトラ島では森林破壊や狩猟により約7000頭にまで減少した。なお、それぞれは別種で、ボルネオオランウータン、スマトラオランウータンと称されるが、今回の研究で、2つは定説よりもっと後の約40万年前に分かれたことが推定された。

研究チームは、各5頭でゲノムの概要を解読し、比較してみたところ、個体数がはるかに少ないスマトラオランウータンの方が、ボルネオオランウータンよりもDNAの多様性が大きかった。
 
研究チームは、DNAの大きな多様性は、種の存続のチャンス拡大に貢献した可能性があると指摘している。

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2010/12/24

現代人の祖先、別人類「デニソワ人」と交雑

【読売 12/23】 現代人の祖先が、別の人類とされるデニソワ人と交雑していたことが、独マックス・プランク進化人類学研究所などの国際チームの研究でわかった。

現代人の祖先が、世界各地で先住の人類を絶滅させつつ広がったとする従来の説を、覆す可能性がある。23日付の科学誌ネイチャーに発表する。

シベリアのアルタイ山脈の遺跡で発見されたデニソワ人の骨を使い、細胞核のゲノム(全遺伝情報)の一部を解読した。世界各地の現代人のゲノムと比較したところ、オーストラリア北東の島々に住むメラネシア人は、ゲノムの4~6%がデニソワ人固有のものと一致していた。

研究チームによると、人類の祖先は40万~30万年前にアフリカを出て、ヨーロッパに移動した集団がネアンデルタール人に、アジアに広がった集団がデニソワ人になった。それに遅れて6万~5万年前にアフリカを出た現代人の祖先が先住者と交雑し、今に至ったらしい。欧州やアジアなどの現代人の祖先とネアンデルタール人との交雑を示す研究成果は、今年5月に発表されている。異なる人類どうしの交雑、共存が一般的だった可能性が出てきた。

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2010/11/27

ほ乳類は恐竜絶滅後、いかに大型化していったか サイエンス誌

【11月26日 AFP】食べ物をめぐって巨大な恐竜たちと獲得競争を繰り広げなければならなかったほ乳類が、恐竜絶滅後にどのように大型化していったかについて解明したとする論文が、26日の米科学誌サイエンス(Science)に発表された。

カナダ・カルガリー大(University of Calgary)のジェシカ・テオドール(Jessica Theodor)氏らの研究チームは、ほ乳類の大型化の過程などを調べるため、2年以上にわたって化石の膨大なデータを収集した。

恐竜がかっ歩していた時代、ほ乳類の平均的な大きさはウサギの赤ちゃんからビーグル犬程度、体重にして1~10キロの間と、比較的小さかった。ところが、6500万年前の恐竜絶滅からほどなくして、ほ乳類は急速に大型化する。その2500万年後には最大で1000倍大きくなり、体重が17トンに及ぶものまで現れた。

恐竜がいた頃には餌をめぐる競争が存在した上、ほ乳類は代謝が早く、大型化するほど食べたことがなかった。これが恐竜絶滅によって、餌がふんだんに手にはいるようになり大型化したのだとテオドール氏は説明する。

ところが、ほ乳類の大型化は約4000万年前にひと段落し、その後はほぼ横ばいとなっている。こうした傾向はすべての大陸で見られた。

「草食動物が大型化する上では強い淘汰圧がかかる」とテオドール氏。大型化すれば捕食動物に狙われる確率が減る。体温を上げるために動き回る必要もないため、厳しい冬の寒さも生死を分ける問題ではなくなるという。

さらに、体の大型化に伴って胃も大きくなり、木や植物の硬い部位でも分解できる化合物が生成されるため、食べ物のレパートリーが広がる。

■大型化の概念

大型化の概念についても興味深い発見があった。例えば、現在は地上最大のほ乳類とされるゾウが、これからも常にそうあり続けるわけではない。最大のほ乳動物という名称をどの動物が担うかは時とともに変わるのだという。
 
「このことは、ほ乳類の大型化に関して何らかの原理があることを示唆しており、実に興味深い。大型ほ乳類になることは、それがどの動物であれ、(生態学的地位の)『すき間』を埋めること。そしてこの『すき間』に移動することは、どの動物でもありうると考えられる」(テオドール氏)

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2010/11/23

カラス、人間の男女を識別…顔の特徴を観察し

【読売 11/23】 カラスが人間の顔の輪郭などから、男性と女性を識別できることが、顔写真を使った実験でわかった。

宇都宮大と東京農工大の連合大学院の学生による研究成果で、初めて見た人物でも高い確率で男女識別に成功した。輪郭や目、鼻などの形から性別の特徴を読み取っているとみられ、人間に近い高度な観察力と思考力をもつことが確認された。

研究を行ったのは、同大学院博士課程のエチオピア人の女性留学生、ベザワーク・アフェワークさん(32)。カラス研究の第一人者として全国的に知られる宇都宮大農学部の杉田昭栄教授(動物形態学)が指導し、今月1日、米学術誌「ビヘビオラル・プロセシズ」電子版に掲載された。

アフェワークさんは野生のハシブトカラス4羽を使い、2羽に男性、もう2羽には女性の顔を認識できるように訓練。鳥かごの中に二つの餌箱を置き、それぞれ男性と女性の顔写真でフタをした。正解となる性別の写真が載った餌箱だけに餌を入れ、当たれば餌が食べられる仕組み。男女のペア4組の写真を取り換えながら1、2週間訓練した結果、4羽中3羽が正答率100%だった。

次に、訓練した4羽が人間の顔のどこで男女を識別しているのかを確認するため、〈1〉顔写真をカラーから白黒に変更〈2〉輪郭の個人差をなくすため、全員丸い輪郭に加工〈3〉目、鼻、口など顔写真の一部を隠す――など条件を変え、カラスが見たことのない男女2組を加えた6組の写真で実験した。

その結果、〈3〉の正答率はやはり100%近かったが、〈1〉は約60%、〈2〉は約70%に低下。カラスは、目で見る対象物に色彩がないと特徴を認識しにくい一方、人間の輪郭や目、鼻などの特徴を細部まで観察し、分類できることがわかった。

杉田教授によると、カラスは色彩を認識する視細胞が人間より発達しており、色に敏感なことが既にわかっている。また海外の研究では、カラスは脅かされた人間の顔を2年半以上覚えていることが確認されるなど、記憶力も高い。

今回の実験では、顔写真の一部を隠しても正答率が高かったことから、杉田教授は「カラスは断片的な情報から全体像を想像できる」と推測。カラスは繁殖期にひなの居場所に近付いた人間を威嚇することもあるが、人間の性別や年齢層まで見定めている可能性もあるといい、今後、カラスの知能を解明していく有力な手がかりとなりそうだ。

研究成果についてアフェワークさんは「カラスは人間に疎まれる存在だが、高度な知能をもつ動物だということを理解して接する必要がある」と話している。

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