政府・自治体の対策も必要ではあるが、各個人・家庭での地震への備えが一番大事である。住居の耐震診断・耐震工事から非常時持ち出し品・非常食の常備まで、地震を「目の前にある危機」としてとらえて対策を実行している人がどれだけいるだろうか。阪神淡路大震災の時には某県知事が「腹が減ったら自分で炊き出しをしろ」という旨の発言をして非難されたが、防災への備えという自助努力をせずして救助を求めるというのは甘えでしかない。炊き出しができる程度の準備は各家庭がしておくべきである。
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発生が切迫しているとされる東海地震、東南海・南海地震を対象に「今後十年間で死者数、経済被害額を半減させる」ことを目標に掲げた政府の地震防災戦略が二十六日、明らかになった。住宅の耐震化率については全国で二〇〇三年度の75%から90%に引き上げるなどの具体目標も示した。
地震対策で政府が、被害を減らす「減災」の数値目標を設定するのは初めて。今後、自治体にも地域目標の設定を求めるほか、首都直下地震でも策定を急ぐ。三十日に開く中央防災会議(会長・小泉純一郎首相)で決定する。ただ、政府の投資額を示さないなど実効性に課題もありそうだ。
減災目標は、東海地震では死者数を九千二百人から四千五百人に、経済被害額を三十七兆円から十九兆円に減らす。また東南海・南海地震では死者数を一万七千八百人から九千百人に、経済被害額を五十七兆円から三十一兆円に減らす。
対策の具体目標は、耐震化率は住宅のほか、公共施設も東海地震で〇三年度の65%を85%に、東南海・南海で同年度の53%を72%に引き上げる。家具の固定率は東海で54%、東南海・南海で51%の目標を設定し、揺れによる死者数を東海で三千九百人、東南海・南海で四千二百人減らす。
また全国で津波被害の可能性のある市町村は、被害地域や避難場所を示すハザードマップを五年間で策定する。避難ビル指定の促進や津波予報を〇五年度中に地震探知から最速二分に短縮することなどにより、津波による死者数を東海では八百人、東南海・南海では四千四百人減らす。
中央防災会議が決定する地震防災戦略案の要旨は次の通り。
【構成など】
戦略は、(1)被害想定を基に人的、経済被害の軽減の達成時期を定めた「減災目標」(2)減災目標の達成に必要な事項ごとの数値目標、達成期間、対策の内容などを定める「具体目標」―で構成、地方自治体にも「地域目標」の策定を要請。
対象地震は被害想定、対策のマスタープランである大綱のある東海地震、東南海・南海地震。首都直下などは速やかに着手する。発生の切迫性から対象期間は十年で、三年ごとに達成状況をフォローアップする。
【東海地震の地震防災戦略】
▽人的被害軽減戦略
減災目標「今後十年間で死者数を半減」(九千二百人から四千五百人に)=住宅の耐震化で三千五百人減、耐震化に伴う出火の減少で三百人減など「揺れによる死者数を七千九百人から四千人に」。津波ハザードマップの作成や避難訓練で避難意識を向上させ七百人減、海岸保全施設の整備で百人減など「津波による死者数を千四百人から五百人に」。
具体目標では、(1)住宅の耐震化率を全国で90%(二〇〇三年度75%)(2)強化地域内の公共施設耐震化率85%(同64・8%)、家具の固定率を54%(3)急傾斜地の崩壊による災害から保全される戸数を一四年度末に全国で五十四万戸(〇四年度末四十二万戸)(4)五年間で津波ハザードマップを津波防災対策が必要な全国の全市町村で策定(5)〇五年度中に地震を探知し最速二分後に津波予報を発表(6)津波の避難が困難な地域がある全市町村で津波避難ビルを指定(〇四年の沿岸市町村の指定市町村率14%)―を目指す。
▽経済的被害軽減戦略
減災目標「今後十年間で経済被害額を半減」(三十七兆円から十九兆円に)=住宅などの耐震化で十二兆円減など資産喪失被害額軽減、死者数の軽減やオフィスの建て替えで生産活動停止による被害額を二兆円減、高速道路や新幹線をまたぐ陸橋の耐震化など東西幹線交通寸断による被害額を二兆円減、被災地内の被害額の軽減で全国への波及効果額を三兆円軽減。
具体目標では、(1)業務継続計画を策定する企業の割合を大企業でほぼすべて、中堅企業で過半(〇四年で大企業で策定済みは22%、策定中は23%)を目指す(2)新幹線などをまたぐ陸橋の耐震化三カ年プログラムを策定する―など。
【東南海・南海地震の地震防災戦略】
▽人的被害軽減戦略
減災目標「今後十年間で死者数を半減」(一万七千八百人から九千百人に)=住宅の耐震化で三千七百人減、耐震化に伴う出火の減少で三百人減など「揺れによる死者数を九千二百人から四千九百人に」。避難意識の向上で三千六百人減、海岸保全施設の整備で八百人減など「津波による死者数を八千六百人から四千二百人に」。
具体目標は、推進地域内の公共施設耐震化率72%(〇三年度52・6%)、家具の固定率51%を目指すなど。
▽経済的被害軽減戦略
減災目標「今後十年間で経済被害額を半減」(五十七兆円から三十一兆円に)=住宅などの耐震化で十九兆円減、生産活動停止による被害額を三兆円減、東西幹線交通寸断による被害額を一兆円減、波及効果額を四兆円軽減。具体目標は、東海地震と同じ。
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